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四月は君の嘘 6巻

四月は君の嘘(6) (四月は君の嘘 (6))
四月は君の嘘(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

弾こう
私達はピアニストだよ


過去の自分と決別し、再びピアニスト人生を歩み出そうと足掻く公生と、その再出発の背中を押す紘子さん。公生はガラコンをきっかけに一歩先へ進む事ができるのか、そして相方のかをりは…。最強コンビの演奏が楽しみな四月は君の嘘6巻です。

前巻で、母親の親友・日本屈指のピアニストの瀬戸紘子に師事する事になった公生。そして、ガラコンを控え、かをりと共に練習に励む日々。かをりが選んだ曲はクライスラー「愛の悲しみ」なんですが、練習も始まっているのに、公生はいまだに別の曲に変えたがる。それを不思議に思うかをりですが、実はこの曲には公生の複雑な思いがあり…。まず冒頭で、その理由が明かされます。

自宅で「愛の悲しみ」のピアノ版の楽譜を手にした公生は。

母さんの好きだった曲
母さんが   よく弾いてた曲  


そして昼間のかをりの言葉を思い出します、「君がそんなにいやがるの なんでかな」。そして、その言葉に答えるようにつぶやきます。

『どうしたって 母さんを思い出しちゃうからだよ』

そうか。頑なに嫌がっていたのは、お母さんとの思い出が染み付いた曲だからなんだ。そして、思い出すと今でも涙が出る程に、公生にとって母親との記憶は、温かく優しい記憶と辛く苦しい記憶が、混在してせめぎ合っているんですね。 そのつぶやきを偶然聞いた紘子さんは、公生を夏祭りに誘います。そこでの紘子さんとの会話には、公生の母親に対する自責の気持ちと、それを消化して前に進もうとする葛藤が滲んで、読んでいてつらい。『母さんは僕を憎んでるんじゃないでしょうか』『母さんは僕を許してくれるでしょうか』。親への反抗は自我の確立、自立への兆しなんだと、だから早希が喜ばないはずがない、と言う紘子さん。

中でもこの問いかけに、公生の葛藤の全てが詰まっている気がします。

『僕はピアノを弾いてもいいんでしょうか』



きっと公生にとってピアノは、好きとか嫌いという次元のものではなく、母親と自分をつなぐ存在だったのだと想像します。だからこそ、ひどい言葉で母親との関係を破綻させた自分が、二人をつないでいたピアノを弾く権利があるのか?と思うのかなと。その問いに、紘子さんは。

『だったら弾こうよ』
『迷いがあるのなら ビシッとピアノ弾いて 早希の声を聴こうよ』


母親ときちんと別れるためにも、ピアニストとして成長するためにも、公生は弾かなきゃいけないと思っている紘子さん。そして、ガラコンで観客を沸かせて主役の座をいただく!と息巻くかをり。二人に後押しされながら、公生は答えを探すようにガラコンへ向けて練習に打ち込んでいきます。

ガラコン当日。
なんと、かをりが来ないアクシデント!あんなに気合い入っていたのに来ないなんて、何かの策略とも思えず、いやな予感しかしないです。。そして、渡が鳴らす携帯の呼び出し音が、無人の宮園家に鳴り響くの図。。これ絶対、病院運ばれてるよッッ!!(泣)

この状況に、公生と紘子さんは順番を最後にしてもらえないかと頼むのですが、本日の主役・優勝者の三池くん(中1)はトリの座を譲らない。そして、奔放なかをりの事をこんな風に言いました。『演奏がメチャクチャだから 生活態度だってメチャクチャなんだ』。生意気なガキ!とキレる紘子さんww 公生は怒っている風でもなかったのですが、怒りを表には出さず腹にしまっただけのよう。順番はそのままで、でも、

『今日の主役の座は 僕らがもらいます』



と宣言した公生。かをりがこだわった主役の座(=一番観客を沸かせた人)は譲らないと。強気発言にシビれます!このチビも、観客が自分よりかをりの演奏を楽しみにしている事を知っていて、自分が主役なのにと、内心超メラッてるんですよね。三池くんの演奏も楽しみだ!そして彼のいかにも “音楽家です!” なビジュアルがツボw

さて、三池くんに強気に言ってみたもののかをりは結局現れず。そのまま公生達の番が巡ってきてしまいます。

『ガラコンは目立ってなんぼですから』

と言って、ひとり舞台に上がった公生。主役のバイオリン奏者がいない事にざわつく聴衆。そんな中で公生は、バイオリンの伴奏ではなく、「愛の悲しみ」のラフマニノフ編曲のピアノ版を弾き始めます。決して成り行き上仕方なく舞台に上がったわけではなく、本気で主役の座をもらうつもりの演奏。

僕を見ろ  
証明してやる
僕は凄い
僕を伴奏者に据える   宮園かをりは
もっと凄い  




僕は凄いけど、かをりはもっと凄いって…、このセリフかっこいいな。ベースには自分の凄さがあって、それより凄いんだから本当に凄いんだよっていう。そして、公生のかをりへの心酔っぷりも凄いw 公生を音楽の世界に連れ戻したのは、かをりのなかにある純粋な熱い思い。それがなければピアノをまた弾き始める事も無かったかもしれない、と思うと、公生にとってのかをりの存在は、かつての母親のそれと同じくらい、きっとデカい。

自分の存在を強く主張するように、凄まじいテクニックで鍵盤を叩く公生。怒りに身を任せ感情に抗おうとしない演奏、その人間離れしたテクニックに観客は圧倒されるのですが。『耳障りだわ』とは落合先生。

まだ耳の聞こえない公生は、ふと、自分の力み切った身体に気がつきます。そして、あれ、これってこんな曲だっけ?こんなに強く弾くんだっけ?と。母親が何度も聴かせてくれた、自分にとって子守唄のようなこの曲は、こんな風に弾かれていなかった。そこで浮かんできたのは母親の姿。

もっと優しく 赤ん坊の頭をなでるように
抱きしめるように弾くのよ




ここで、音が変わり始めます。一つ一つの音がきらめき、その音がカラフルに染めていく。公生の母・早希さんはピアノを通して沢山の気持ちを表現し、伝えてきたのだと思います。まだ意識のできない赤ちゃんの頃から音に乗せて伝えた思いが、公生の無意識に刷り込まれてきたんですね。その早希さんの思いが、公生の演奏を通して再び音として表現され、こういうカタチで花開いたという事に胸がいっぱいになります。

モニター越しに公生を見守る紘子さん。紘子さんは紘子さんで、公生をこの世界へ引き込んだ事への罪悪感をずっと抱いてきた。公生の再出発は、紘子さんの再出発でもある。

早希 ちゃんと見ててよ
私達の息子が 最後のお別れをしに行くから


ドラマチックだなー。私にとって、それがこの作品を読む一番の楽しみです。クラシックの持つ繊細さや壮大さに、公生の悲しみや迷いや温かい感情が織り込まれて、音のない紙の上に、画と言葉でその世界が描かれていく様が、素晴らしくドラマチックです。

公生の演奏はこのまま終わりそう。結局、かおりは来ないんでしょうね。わざと休んだとは思い難く、病気で倒れたからじゃないかと思わされる空気。。かおりの病が簡単に治るようなものでない事は、彼女のこれまでの発言から察する事ができるのですが…、でも、ここで急逝なんて展開はさすがにイヤだ!

これをきっかけに、病気の事は公生やみんなの知るところになるのでしょう。母親に対するトラウマからようやく脱しようかという時に、今度はかをりの病を知るなんて、公生のピアニスト人生は超えねばならない苦難が多すぎますね。とりあえず、かをりが生きていますように…!


椿が空気だ。。
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