ちはやふる 20巻
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西で 東で 特別な一日が始まる
吉野会大会の決勝戦・千早VS太一の熱戦の行方が描かれる、ちはやふる20巻です。そして、名人戦の予選もスタート!…あれ!?もしかして19巻の感想書いてない!!?うわ、気がつかなかった…。気を取り直して20巻先に書きます♪
と言いながら、決勝戦のカードが千早と太一だなんて、胸熱すぎてまともな感想が書ける気がしない。そもそも、太一の試合に関して冷静に読めたためしがない。だって、勝てる匂いがしないから最初から泣きたい気持ちになっているし(私が)、今ももう既に涙目…。
さて、皆が行方を見守る中、千早と太一の戦いが続きます。
いつもと違った太一の戦い方に、翻弄される千早。持ち味が出し切れず苦しみます。でも、いつまでもそのままではないのが千早の強さ。途中、桜沢先生の言葉を思い出し、それをきっかけにいつもの調子を取り戻していきます。

そして、一進一退の戦いが決着。 太一がまた負けてつらい。
感想はそれしかない。
と思って、既巻をパラパラめくってみたら、最近太一は勝っていた。。。そうでした。そもそも、今大会も決勝まで残っているし、高校選手権で一度も負けなかった太一。富士崎の桜沢先生も唸らせた太一。
そうか思い込みか。A級になるまでの苦節が長すぎて、その印象を拭いきれないでいました。ごめん太一w
試合後、正座のまま動かない太一。その握る拳が震えている。。。いやだ!彼のこういう姿見るのホントやだ!(泣)太一の存在って「努力は報われるとは限らない」という、当たり前なんだけど認めるには切なすぎる現実を突きつけてくるんですよね。それでも、何度も立ち上がる太一が、もうロッキーばりに不屈の魂見せつけてくれて止まらない感動をいつもありがとう(泣)
血統の新、天才の千早、努力の太一、でいくと、凡人の自分は努力の人を目指すしかないんだけど、でもあんなに努力しても報われないなんて、努力する気力すら持てなくなりそうな自分との戦いっていうか、そもそも努力も才能なんだよね!って逃げ出したくなる自分がいるっていうか…(ブツブツ とにかく、太一はある意味新より千早よりすごいんぜ!と思っている私です。太一見ていると、このブログで、会社消えちゃえよもう、とか迂闊に書けなくなるorz けど、書いても宜しいでしょうかすみません。
こうして吉野会大会は千早の優勝で幕を閉じ、大会のあとのイベントは修学旅行。
高校の先生になりたい千早は、メインイベントに参加した経験もなく先生になるわけにいかない…と、クイーン戦予選を蹴って修学旅行へ。
ところが、太一は風邪で欠席。風邪で欠席って……んなワケあるかい!病欠を装って、選手権予選にエントリーした太一。なんと、母親には受験勉強から休むと言い、二重のウソを。やるなあ♪
母親を軽くあしらって太一が向かった先は、白波会。
そして、選手権に向け鼻息荒い本気の原田先生との練習が始まります。

太一がエントリーしていると知った千早と新と原田先生の反応が面白い。3人とも「太一(まつげくん)が名人を目指していたなんて!」と驚くんです。この愛すべきかるたバカ達w
なぜ太一が修学旅行より予選を選んだか、千早には分からない。困惑する千早を前に、太一と同じクラスの机くんは言います。『綾瀬 おれには ちょっとわかるよ』
『冷静に考えたら いましか かるたを思いっきりやれるのは いましか……』

来年は受験生でかるたに打ち込む事はできなくなるだろう事、そして、太一が医学部に入学すれば、かるたをする時間なんてないだろう事、だから太一は、今全力を傾けるしかないんだと机くんには分かる。
そんなこんなで、修学旅行に対してすっかり心ここにあらずの千早。はじめは欠席の太一が気になって、その次は予選の勝敗が気になって、そして、太一の気持ちが分からなくて、もはや古都の景色なんて全く目に入らない。それはもう、みちるちゃんがキレて千早の携帯を取り上げ、電池を抜き取るという暴挙に出るほどにw
一方、西日本予選にエントリーしている新は。
吉野会大会以来調子を落とし、予選を前に、理由も分からず苛立っていました。勝つイメージが描けない、千早と太一への気持ちも整理がつかない。。その苛立ちから脱するきっかけをくれたのは由宇ちゃん。
予選の前日、カツ丼カツカレーを持ってきてくれた由宇ちゃんが言うんです。「勝ったら、かるた部に入ってあげてもいいよ」と。その “ちっぽけなごほうび” に新は、
『名人になんのは じいちゃんとの約束で なんもごほうびなくても おれの夢や』

その自分の言葉にハッとする。自分がかるたに向かう理由を思い出した新。由宇ちゃんは、「由宇が一番よく知ってるやろ」に満足げ。ほーお、そういう事になるのか!
予選当日。
西日本予選会場に、周防名人と若宮クイーンが姿を現します。そして、皆の注目が集まる中、やっと大学を卒業できそうな周防名人が、『次 5連覇して引退します』と突然の引退宣言!5連覇=永世名人。何が本当の理由かはともかく、引退には良いタイミングですね。
そしてここで、新と名人の第一種接近遭遇だお!!1試合目を終えた新の前に、急に姿を現した名人。どら焼きを差し出しながら言います。
『きみはいつか名人になるね でもそれは次じゃない』
『きみを見ててもテンション上がらない』

声小さくて文字小さっ!!w しかも普通に失礼ww
ところで、修学旅行中の千早は、まだ太一が予選を選んだ理由が分からなくてもやもやしています。
百人一首の殿堂・時雨殿を見学しながら、太一の気持ちに思いを巡らせる千早。太一はこの間の試合、何を考えていた?と自分に問いかけます。
名人を目指していた?
ちがう
ちがう
太一が修学旅行にいないのは

千早に勝ちたい
そして、たどり着いた答え。太一の思いの先にあるのは、名人位じゃない。自分への勝利だと気付く千早。このシーン、地味にしびれますっ!
さて、東日本予選では。
1試合目が始まってなお、新と同じように悩んでいる太一。
おれは修学旅行休んでまで なにになりたいのかな

葛藤を抱えつつ試合に挑む中、なんと、偶然太一母が会場を通りかかる!あーめんどくさ展開っっ!太一のかるた人生、試練多すぎでしょ!!
そこですかさず、会場の出入口近くにいた花野さんが太一母に気がつきます。太一に近づくため、外堀(=母親)を固めようと太一母に近づく花野さん。「試合が終わったら連絡します」と言われた太一母は一旦退却。
そして、太一母との約束のため、試合が終わるのを待つ花野さんが、その間に目にする光景がすごくいいんだ!
初めに姿を見せたのは、太一より先に試合を終えた原田先生。試合中の鬼気迫るような視線のまま、花野さんの目の前で疲労でバッタリ倒れます。いい歳のオッサンの死力を尽くした姿を目の当たりにしてビビる花野さんw さらに、出てきた太一の様子や、自分の不甲斐なさに涙するヒョロ君の姿を見て、花野さんはそこにみんなの本気を感じ取るんです。
試合が終わった頃、痺れを切らして再び会場に現れる太一母。そこで、花野さんとの応酬が始まります。
『どいて』
『ど どきません』
『ハァ?』
『どきません』
母親側につこうとしていたのに、太一と会わせまいと、会場の扉の前に立ちふさがる花野さん。そしてかるたを「今だけのお遊び」と言った太一母に、花野さんは、『い…… 一生やるかもしれないじゃないですか』と反論。さらに。
『真島先輩…… 先輩は 自分になりたくてがんばってるんです……!』

太一本人ですら分からなかった、ここにいる理由。でも、太一を見ていた花野さんにはそれが分かっていたという、心揺さぶられる場面。本人はがむしゃらで理由なんて自覚できなくても、周りはその懸命さから滲む思いを感じ取るんですね。なんていい話。
普段は、お花畑かっ!とツッコミたくなるような花野さんですが、恋には本気。その対象物=太一を見つめる観察眼は、まるで研究に人生を捧ぐ科学者のように鋭い。太一が千早に向ける想いにも本当によく気づくんですよね、その想いの性質を見抜くというか。恋する乙女マジすげえ。
そのやりとりを見ていた太一は、花野さんの言葉を聞き、こんなこと思います。
自分じゃなくなりたい
でも 自分になりたい
うおーーーっ胸熱ッッ!!!!オートマチックに涙!!ここで回想されるのが、やっぱりあの「卑怯なやつ」という言葉だという事に、胸が震える。
そもそも、かるたでは太一は報われきれない存在ですが、ひと度そこを離れたら、誰よりもサラブレッドなわけです。勉強もスポーツも出来て、美形で、お金持ち。なんでもあるのに、何を求めてそんなにストイックに戦えるのか…、彼のネバギブマインドを心底不思議に思ってしまうのですが、太一にとっては、かつて新に言われた「卑怯なやつ」という言葉がいまでも消えていなくて、その卑怯な自分をどうにかして乗り越えたいんだなと。そしてきっと、そのための手段はかるたしかないんだと。そんな事を思いました。花野さんの「自分になろうとしているんです」にものすごく納得。
でも。太一はとっくに、卑怯なやつじゃないよ。
新と千早と太一がかるたと向き合う理由を、改めて感じさせられた今巻。一応少女漫画ですが、少年マガジンも真っ青の真っ向スポ根展開は20巻になっても不変で、良かったっス!
恋愛漫画大好きですが、わたくし、ちはやふるに恋愛要素は求めていません(キッパリ それでもやっぱり、千早がどちらとくっつくのかは見どころのひとつではあると思うのです。が、しかし!選択はそれだけじゃなかった。新に由宇ちゃん、太一に花野さんという組み合わせがなくもないのか…?と思わされるシーンがちょっと気になった19巻でした♪
美しすぎる太一が時々ショートの千早に見える件
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