mix(ミックス) 1巻
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舞台は明青学園
上杉兄弟の伝説から26年、今、再び運命の兄弟が明青学園の扉を開く。
そして物語は始まる
昔、昔のその昔、一度だけな。
タッチの舞台だった明青学園野球部のその後を描くmix(ミックス)1巻です。“上杉兄弟の伝説から26年” のコピーの通り、なんと上杉達也が甲子園で熱投し優勝した1986年から、もう26年!!ちょっと引くほど年月が経ちましたね。
読み進めると、ひとコマひとコマが正しくあだち作品で嬉しい。同性に好かれそうな主人公とか、一つ屋根の下のかわいい妹とか、登場人物の若年寄り感とかw、会話の間とか、内輪ネタオチとか、「入浴中」とか、とかとかとか。独特の空気をしっかりまとっていて、全てが信頼のあだちクオリティ☆
ていうかもう、MEISEIと胸に書かれたユニホームを見るだけでノスタル泣きが止まらなくって細かい事などどうでもよい!!!タッチと共通の世界観の中で、設定は似てるけど違う三人が野球したり恋したりするのかと思うだけで、もーどこまでもニヤけられる!!
1巻の内容は人物と設定紹介でした。物語が始まるのは2巻からかな。
主人公は、明青学園のすぐ隣の家に住む3人の兄妹。
同じ歳で誕生日も同じ立花走一郎・投馬と、ひとつ下の音美。

連れ子同士の再婚で兄弟になったため、走一郎&音美が実兄弟で、投馬は義理の兄弟です。 音美曰く、投馬は「ものすごいピッチャー」で、走一郎はその投馬が認めるキャッチャー。そのバッテリーが明青学園中学の野球部を経て高校に進み、甲子園を目指す!のかと思いきや…。
エースは3年の二階堂。

ゴツイ顔立ちに似合わず、社長子息のお坊っちゃまです。彼の父親が野球部に多額の寄付をしていたり、監督と親友だったり、、大人の事情のお陰様でエースをはっている二階堂くん。だから毎日『監督、じゃ お先に。』が許されるという…。監督は二階堂に対してオールOKだし、二階堂の会社に父親が勤めている部員なんて完全にパシリ。
そんなわけで、こんな球を投げる投馬はサード。

ミットに投げ込まれた球の重さが伝わってくるこの感じ!躍動感を強調する画じゃないのに、振り切った腕の速度や、球の緩急を分からしめるところがすごい!あだち先生が描く投馬の本気の投球を想像するだけで、キャインキャインしたくなる~!!そして、特に右投げに萌えるのは完全に個人的な趣味です。
二階堂はさしずめ、タッチの柏葉監督代行の役回りというところでしょうか。権力による抑圧。この作品には、自由で可能性に満ちたキラキラ輝く青春時代☆というおめでたい空気はなく、そこには多くの社会人と変わらぬ理不尽な出来事と気苦労があり、それを入社10年目・中間管理職まっただ中の社員のように、時に流し、時に割り切りながら、現実をしぶとく生きていく登場人物たちの姿があります。
世の中間違っている!と唾とばして熱血するような人はあだち作品には出てきません。みんな若年寄w とりあえず、二階堂父が悪い事して逮捕されたり会社が倒産したりしない限り、二階堂の天下は続くのだろう。
こんな環境に対して、投馬と走一郎には、このまま高等部に進学してもいいものか?という葛藤があるのですが、そこにこんな発言が投げ込まれます。
『早く見たいなマウンドの投ちゃん。明青の背番号1。』

これって、やっぱあれですよね。「南を甲子園に連れてって」と同じで、お願いに見せかけた絶対の命令みたいなものですよね。そうすると、投馬が(=走一郎も)他の高校に行くという選択肢はなくなりますね。なにがなんでも明青の1番を目指すしかない展開です。
この環境は、権力にこびる実力のないメンバーには好都合でもあり、孝太郎…じゃなくてキャプテンの今川も本音では呆れている。そいつらが重用される事があれば、
『そこまで腐ったら見切りをつけろ。』

とキッパリ。
まずは、二階堂引退後の秋からのチーム編成がどうなるのか。2人はこのまま高等部に進学するのか。そして、今回は走一郎と音美の恋愛はあり得ない設定なので、投馬と音美の関係はどう変化していくのか。その辺りが2巻から徐々に描かれていくようです。
ここまで、タッチの登場人物は出て来ません。出てこなくていいわ~。40代のたっちゃんも南ちゃんも見たくない。シルエットすらいらない。MEISEIのユニホームの背番号1とか甲子園優勝の楯とかパンチとか、小道具から漂うタッチの匂いだけで十分にうまうまです。その方が妄想を刺激してくれるw
知ってる空気で、知ってるテンポで、何もかも既視感ありまくりなのに、マンネリではなくて面白いなああああ~。幸せッッ!!早く2巻を!!
“イケメンがキャッチャー” も約束事違反ではあるまいか。顔見せろ。
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