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四月は君の嘘 5巻

  • 新川 直司
  • 発売日 : 2013/01/17
  • 出版社/メーカー : 講談社

君がいたんだ

公生の2年振りのコンクールの行方とともに四角関係も気になる四月は君の嘘5巻です。
1曲目を正確無比な演奏で終え復帰を見せつけた公生から、再び音が消えたところで終わった4巻のその後。

公生の演奏は、また聴こえなくなった焦りから、音がバラバラになっていきます。その乱れは誰の耳にも明らかなほど。。公生は諦めまいと、かをりと演奏したあの時のように、全身で音をつかもうとするのですが、その頑張りを打ち消すかのように、公生の頭の中に再び現れる母親の幻。

聞こえないのは自業自得だと言う幻影の言葉は、そっくりそのまま公生が自分に対して思っている事なんですよね。あの日母親に投げつけた言葉が後悔となって公生の心に深く突き刺さっていて、そこを消化できない限り、頭の中の幻も消えないんでしょう…。

そのまま演奏はどんどん乱れて、やめちゃおうか・・・・という気持ちがよぎります。そして本当に演奏をやめてしまうのですが……… でもそれは諦めではなく、出直し。その時公生の頭の中にいたのは、あのコンクールの舞台に立つかをりの姿。もうね、公生の頭の中に、その姿がこびりついて離れないんですよ。そして、かをりが言った「アゲイン」。これが、公生のピアニスト人生のビッグバンだったと思うわ。その言葉で新しい公生が生まれたんだろうなあ。

公生は考えるんです。かをりはあの時、演奏を中断してコンクールが終わったにも関わらずなぜもう一度弾いたのか。それは何のためだったのか。かをりの気持ちを想像しながら、じゃあ自分は何のために弾くのか…と自問する公生。そして、再び鍵盤に向かう公生が見つけた答えは。

君のために弾こう



君のために弾く…!!きました、一芸のある人にのみ許される殺し文句・君のための◯◯!!(今回は別に言ってないけど。)
君のために歌う、君のために描く、君のためにゴールする。バリエーションは豊かですが、その「君のための何か」は、他人より秀でた何かでなければなりません。凡人レベルのそれでは、もらう側はどっちらけの切ない結末。言ったからには、絶対に超えねばならないクオリティラインがあると思うのです。気持ちが大事だよね♡とか可愛い事が言えない私ですまない。そんなわけで、かをりのために弾くのであれば、その底力をいかんなく見せつけてくれ!

まあ、もしここで公生がしょぼい演奏をしてしまっても、かをりは公生の思いを知らないので、せいぜい私が心の中でチッと舌打ちするだけですがw そんなわけで、期待に胸が高鳴りつつ成り行きを見守っていたのですが、君のためって言われたら誰でも恋落ちするレベルの素晴らしい演奏をするんです!!!あ~さすがの天才。

公生がイメージしたのは、かをりといたある日の景色。教室のチョークの匂い、ヒビ割れた窓ガラス、遠くに聞こえる運動部の声、桜の花びらの影、そして、かをりのかすかな寝息。
そんな、いきものがかりの歌に出てきそうな青春シチュエーション☆をクラシックにのせるって、想像を絶する素敵さなんだろう。もう私は何もコメントできないw そして、そのイメージによってまた変容した公生の音。はじめは、コンピューターのように正確な演奏、途中から泣きじゃくる子供が鍵盤を叩きつけるように、そして今はきらめく音によって風景を変え、観客を公生の世界に埋没させるような演奏。
この作品がすごいのは、それが全て聴こえる事。公生の演奏の変化が、読むと聴こえてくるんです。読む事でクラシックコンサートを体感する驚き!音を言葉と画にするとこうなるんだなあ、と感動。

そして、公生の演奏は終了。
三度変わった演奏は、周囲に戸惑いを残しました。まるで三人の人間が弾いたような、全く違う演奏。でもその演奏は、届けたかった相手、かをりには届いていて。



はじめて、自分で弾く理由を見つけた公生。清々しさと興奮が混ざった表情から感じられるカタルシスがたまらない!
その時、公生は母親の幻を見るんです。その表情は嬉しそうに微笑んでいました。母親の幻とも、きっとこれでお別れです。あれ、そう言えばまだ音は聞こえないのかな?

さて、コンクールを見ていた1人の女性。

『やるじゃん 凡才』



さっそくの上から目線に、大物感が漂います。瀬戸紘子・日本屈指のピアニストで、公生母の音大の同級生。
どうやら、公生母は元々公生をピアニストにするつもりはなかったのに、「絶対ピアニストにすべき」と言ったのは紘子さんだったようです。そして、その事を後悔しているような描写もあり…。公生がこうなってしまった事は、紘子さんの傷にもなっている様子。

コンクールの翌日、公生を心配して家を訪ね、『正直 公生がまたピアノを弾くなんて思わなかったわ』『どう…して?』と心痛の面持ちで聞く紘子さん。
その表情とは対象的に、迷いのない落ちついた様子で答える公生。あるバイオリニストに出会って、慣れ親しんだ舞台にはまだ自分の知らない光景があると気づいたんだと。そして、その光景を体験するために、

『変なピアニストになりたいな  って』



と屈託のない笑顔を向けます。
きっかけをくれたのは “変なバイオリニスト” ですからね!それを見た紘子さんは、自分も向き合わなくちゃと決意をして、後見人になる事を申し出ます。その申し出をありがたく受け取る公生。紘子さんが「向き合う」のは、公生をこの世界に引き込んだ責任と、って事なのかな?この辺はおいおい明らかになるかもしれません。
このワイルドなピアニストによって、公生の演奏がどんな風に変容していくのか。ワクワク♪

そんな中、かをりに一通の手紙が届きます。それはガラコンサートへの招待状で、かをりと公生を招待するものでした。ガラコンサートとは、スポーツでいうエキシビションマッチの事だそうな。そして2人はまた共にコンサートを演る事になります。

さっそく練習を開始するのですが、かをりが選んだ曲は、クライスラー「愛の悲しみ」。公生は地味な選曲に不満げですが、これには何か、かをりの気持ちが込められていそうな予感が。でも、何かはわからない。なんだろw

練習の帰り道、ホタルの舞う川辺でかをりが公生に聞きます。『どうでしたか?久しぶりのコンサートは?』その問いに、あの日感じた事を語る公生。みんな何かを心の奥底に持っている、そして、みんなそんな個人的な想いに支えられていた、と。かをりは『君は心に何を持ってたの?何を支えにしたの?』と。その言葉に、握る手に力を込めて公生が言います。

『君がいたんだ』



かをりの後姿を追い求め、いつか肩を並べたいと思う公生。それは公生がもう一度音楽の世界に身を置く理由であり、目標でもある。そしてこの感情は、もう恋って事でいいですか?w
それに対して。

『「ぼくがいつもそばにいて助けてあげられるとは限らないんだよ」』

公生の耳に届かないところでかをりがつぶやいたのは、チャーリーブラウンの言葉。かっこいいけど、こんな哲学的な中学生イヤだw でも、未来への希望と共にトラウマ超えを描くこの作品の空気に、スヌーピーはよく似合う気がする。中学生どころか、児童と犬が生きていく事の厳しさと処世術を説く作品。明るくお気楽な空気に、世の理が見え隠れするところが似ている。

やっぱり、かをりの死亡フラグは消えませんね。いつどんな形で公生達が知る事になるんでしょう。。想像すると、重っ。この先に待ち構える重苦しい展開がどんな風に描かれるのか、怖いけれど楽しみです。


スナフキンも好き。
↓いつもクリックありがとうございます!
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この記事へのコメント

- ゲボ犬 - 2015年09月01日 19:36:46

ボブさんこんばんは(*^^)v
5巻まで集めて読み終えました。
ボブさんのブログを見て買おうと思ったこの作品。
またしても、買って良かった!と心から思える作品でした!

なんだろう…この作品から伝わる感性が情緒的すぎて、読んでいてふわふわと落ち着かないです…(;_;)
ボブさんおっしゃるように、読んでいるのに音が聴こえます!
動いているのは視覚だけの筈なのに!ピアノの音、聴こえてきます!
すごいっ!感動!!

そして、公生くんラブです♡
彼の持つ闇や繊細さ、ストイックさ。それでいて後ろ向きすぎない性格…すべてが好き(;_;)
確かに、零くんに似ていますね(#^.^#)
ビジュアル的にもタイプです!
いや、この性格ならきっとどんなビジュアルでも好きになる!
例え猛男くんみたいでも。

6巻、楽しみです!またコメさせてください!

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みるしぃのおへや - 2013年02月25日 19:58

四月は君の嘘 1巻読んでみました

母の死が原因でピアノを弾けなくなった天才ピアニストの少年と 圧倒的な個性を持つ天才ヴァイオリニストの少女を中心としたお話です 主人公の有馬公正(ありま こうせい)は

腐った蜜柑は二次元に沈む - 2013年01月22日 23:10

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