ひみこい 1巻
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となりの怪物くんが大好きなので、ろびこ先生の他の作品に手を出し始めました、ひみこい1巻です。秘密の恋を描いたオムニバスストーリー。秘密という言葉の響きから想像する禁断の恋は一切なく、主人公の女子高生達の不器用さに胸がジンとする、かわいい恋のお話が収録されています。
◆秘密の恋1・タイムリミット
“高校生活でやり残した事” といったら、やはり恋愛がらみじゃないかと思うんです。主人公の山田(女子)は彼氏がいないまま、吉井(男子)は英語のカヨコ先生に片想いを続けて、高校生活を終えかけています。
このままいったら恋愛をやり残しちゃう2人が、悔いのない高校生活にするために、お互いの “願望” を2人で消化していく… 友達とも呼べない程度のさぼり仲間だった2人の関係が次第に変化していく物語です。
その願望はこんな順序。
公園で待ち合わせ→手をつなぐ→お弁当を作って食べる→映画を観る→ラブレターを書く→図書館で勉強をする→夜景をみる→キスをする
おい!最後はいいのか!?と思いますよね??「キスしてみよう」と言い出したのは山田。全く気のない相手とキスするなんて、何の罰ゲームだよ勘弁してくれよってお話しです。山田の言葉には、試してみたくなるくらいの吉井への恋心手前の好奇心が実は隠れていたわけで。この無自覚な恋心がかわいいッ!!
それまで彼氏・彼女っぽい行動をしても友達以上の感情は無かったのに、『こ 今回はさすがに ちょっとドキドキしちゃったわ』と言う山田と、『は オレも』と笑う吉井。
キャイン!!!あんまりかわいくて思わず犬になっちゃうよ!!キス前後の2人のちょっとしたやりとりとかMAXかわいいです。 このドキドキを機に2人の気持ちがドンドン変化していくんです。そりゃもう、加速度的に気持ちが膨らんでいく。これも一種のつり橋効果なんでしょうかね。
出会った頃から、トランプで勝負している2人。引いたカードが赤か黒か賭けて、負けた方がいうことをきく。
ある日、山田が勝負を持ちかけます。自分が勝ったら、「吉井はカヨちゃんをあきらめてあたしを好きになる」という勝負。そして、
『…どうやらあたし あんたのこと好きだったみたいよ』
という告白つき。吉井は、その賭けにはのれないといい、そのまま2人は疎遠に…。この疎遠は完全に両想いフラグですねー。最後にどちらがどんな告白をするのか楽しみになります。
最後に恋もしたし思い残す事はない… と思って迎えた卒業式。吉井からメールで呼び出しが来るんです。最後の勝負は、
『オレが勝ったら 山田オレを好きになって』

清々しいハッピーエンド☆
順番はともかく、結局やりたかった事は全部できたし、まさに我が高校生活に悔いなし、ですね!この2人は初めからハッピーエンドフラグが何本も立っていたので、くっつき方にワクワクしながら読めました。
◆秘密の恋2・あらしの夜に
直が無くした携帯を拾ったのは、密かに想いを寄せていた、いつも通うビデオレンタル店の店員さん。そんな偶然から始まる物語。
拾い主が彼だと分かってから、直はわざと携帯を受け取りにいかず、自分の携帯に電話しては彼と会話を重ねます。彼はユウスケという名前の大学生で、大学のそばで一人暮らしをしている。そんなプロフィールを知ったり、映画の話をしたり日々の他愛もない会話をしたり、毎晩毎晩話をする2人。
ユウスケさんは、落とし主がいつもお店に来ているあの子だとは知らない。直は段々、正体をバラす事が怖くなってしまうんです。何度もお店で店員とお客として顔を合わせている自分だと知ったらどう思われるだろうと。それが、ある日の嵐をきっかけにバレてしまう。
直がいつも電話をかけていた電話ボックスに現れるユウスケさん。電話の
相手はあんただったんだ、と言い、
『ねえ オレあんたがオレを好きだってうぬぼれちゃっていいわけ?』

これまでのやりとりで直の気持ちがユウスケさんに伝わってしまうようなアレコレがあり、既に告白したも同然だったので、この後の展開は早い早い!あっという間のハッピーエンドでした。
電話ボックスで顔を合わせた2人がソッコーでキスするんですが、そこはいらなくないですかw ユウスケの気持ちの持って行き方がちょっと強引過ぎやしませんか。そんなにタイプだったら店員とお客さんの時点でお互いに意識していても良さそうなものです。キスシーンマストだったのかな…。
先に中身を知って、その後に外見を知るという順序は、ネットで知り合った後リアルに会うパターンと似ていますね。どんなに電話やネットで盛り上がっても会ってガッカリという可能性は常につきまとうんでしょうけど、ユウスケ的にかわいい女子高生で超ラッキー展開でしたね!
うん、それ以上の感想はないw
◆秘密の恋3・ビー玉の橋
「ビー玉橋のビー玉をほり出すと恋が叶う」というジンクスのお話。
サッカー部の市井くんに片想い中の新名は、ビー玉をほり出せたら市井くんに告白しようと思い、毎晩ビー玉橋に通っているのですが、ある晩そこに同じ中学だった八木くんが通りかかり、新名をちょっと冷やかして去っていく。
不機嫌な新名の元に翌日もまた八木くんが現れて、昨日は冷やかしてゴメン、と謝ったところから、2人は新名の片想いネタを共有する事になり、それから毎晩、ビー玉をほる新名の元に部活帰りの八木くんがやっていくるようになる…という展開。
ある日、市井くんがサッカー部のマネージャーと付き合い出して新名は失恋しちゃうのですが、それが思ったほどショックではなかった。それはどうして~?と考えると、心当たりは一つしかないわけで…。
ここからの、両想いまでの展開が良いのです。
失恋してビー玉をほる理由がなくなり新名は橋に行かなくなっていたのですが、1週間振りに行ってみるとそこにはビー玉をほる八木くんの姿が。
八木くんが新名に言います。
『けっこーざくざくいくね これ』
『……そーなの だから 取れないようにほるの大変だったの』

ほり出したビー玉を新名に渡す八木くん。ジンクスは本当は、「ビー玉ほってすきな子に渡すとうまくいく」なんだよと、それから、オレの家は反対方向だと。
良い!!!間接的にお互いの想いが伝わる時のくすぐったさが上手くてキュンとします!!無駄なキスシーンが無いのも良かったw
◆先輩の彼女
元カノに未練タラタラの彼氏を持つ多果と、そのダメな彼氏・ミツ先輩のお話。
このタカが、いい子なんですよ。引きずっている事が分かっていて付き合い始めたので、ミツ先輩のちょっとした表情や行動から元カノへの未練を感じ取っても何も言わない。寂しくなりながら我慢しちゃうんです。いつか1番になれたらそれでいいと。。
恋愛は惚れた方が負けなのだね…と思いながら、こんな良い子を前にいつまでもウジウジしている奴を私は絶対許しませんぜ!!元カノを引きずりまくってさっさと今カノにも振られたらよろしい。
そんな風にタカが不安になっていたら、『ちゃんと好きだから』とか一応言うんですよね。そこは一応本心なんでしょうけど、元カノからのメール1本で消し飛びそうなか細い気持ちなんじゃないのどうせ~?と悪意いっぱいに読んでいたら、本当に元カノから連絡がw
そして、翌日のタカとの待ち合わせに姿を見せないミツ先輩。でもタカは寒空の下待ち続けるんですよねー。健気ですねー。その後、大遅刻でやって来た先輩にキレるタカ。
『あたしだけを見てくれない人、待つなんて もうまっぴら』

怒る彼女を慌てて引き止めるところが、よく見かける光景w 結局、ちゃんと元カノとケリつけてきたよ!という幸せ展開でした。
ミツ先輩はかなりリアルです。この、優しいんだけどちょっと優柔不断でダメなところが。あーいるいる、そういう男の人!という感じ。昔友達と散々した恋バナの中に、確実に何度か登場していたミツ先輩系男子。その度に、そんな優柔不断な奴とはさっさと別れろ!の鳴かぬなら殺せ派と、そのうち振り向いてくれる…鳴くまで待とう派に別れていたなと思い出しました。このお話はそんな、どこかで絶対聞いた事ある話、でしたw
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