パーフェクトワールド Kiss 2015年05月号
![Kiss(キス) 2015年 05 月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61UBd5vt-4L._SX180_.jpg)
Kiss(キス) 2015年 05 月号 [雑誌]
きっと
強引じゃない想いなんて
想いじゃないよ

買ってしまったよKiss。単行本が待ちきれず本誌に流れる、典型的な例です。本誌沼は一度踏み入れるとなかなか抜け出せないんだけど・・・でもハマってそこに踏み入れることが悦びなんだ。と思ってしまったのでしばらく買う。(以下ネタバレです。)
現在7話です。単行本が4話までだったので、2話のブランク。さてどうなってるかな~?と開くと突然、知らない人が。
『・・・この人 何?』

障がいを負った人と付き合うのは、だれにでもできることじゃない、『わかる?』って、・・・だれ・・この上から目線の美女・・・。嫌な予感しかしない。ていうかどうでもいいかなかなど、少女マンガの美女って下まつげ長いよね!
冒頭から(先週からか?)川奈さんにけんか売ったと思ったら、足をぶつけて負傷した鮎川の手当てを手際よくこなして、じゃっと帰っていく謎の美女。。。
不安げな表情で川奈さんが聞く。
『前看護師だった人がどうしてヘルパーしているの・・・?』
あ、ヘルパーさんなんだ。
『俺が社会復帰したあと 結婚して退職したんだ』
『辞めてからも 少し仕事がしたいって ヘルパーを申し出てくれたんだ』
なんだ、結婚してるのか。
がしかし次の瞬間。

離婚すんのか!
ライバルか。しかも元看護師美女とは・・・なかなか手強い。。
鮎川は何も思っていないとして、じゃあ彼女は鮎川をどう思っているのか、という問いには『・・・手間のかかるヤツと思ってるんじゃないかな・・・』と。
いやいやいやいや、「少し仕事がしたい」はきっと “少しあなたに会いたい” だし、「手間のかかるヤツ(だから好きになっちゃった)」が本心なんじゃないの?鮎川発言の前後にある「・・・」も気になる。本当は彼女の気持ちに気づいているのかな?
最初の上から発言で一気に悪役認定したくなりましたが、実は彼女の存在は鮎川にとってかけがえのないもの。
受傷して荒れていた彼を、そんな状況から立ち直らせてくれた人なのでした。
『あなたこのままでいいの?』

彼女は看護師にしかできないやり方で 俺を外の世界へ引きずり出していった
鮎川の気持ちをリハビリへ向かわせ、さらに、車イスでも一級建築士として活躍する知人を紹介し、彼に生き抜く勇気を与えてくれた。『諦めかけていた夢をもう一度目指すきっかけをくれた人なんだ』、でもそれは恋愛感情とかじゃない、と川奈さんに話す鮎川。
しかし、違うんだ。長沢さんは、恋愛感情だったんだよ!!!
長沢さんには、高熱で入院しうなされている鮎川に、思わずキスしてしまった過去がある。(鮎川に意識があったのかは不明)。その少し前に美姫さんと別れたことを知り、長沢さんの気持ちの歯止めが知らず知らず緩んでしまった結果なのかもしれない。
『ただそばにいて 見守っていられれば それだけでよかったのに』

新たな彼女の出現で、嫉妬でいっぱいになってしまった長沢さん・・・。許されない感情だと押し込めてきた想いに押しつぶされそう。。鮎川の回想では、彼女は優秀な看護師であり、彼の理解者であり、なんだかとてもお似合いに見える。パートナーとして川奈さんより適しているかも・・・と思えるほどに。
川奈さんは川奈さんで、「長沢さんみたいな人の方が 鮎川にふさわしいのかもしれない・・・・」と落ち込んでしまう。
そこに今度は川奈さんと鮎川の高校の同級生・是枝くんが登場。
是枝くんは急に会社に電話をかけてきて、川奈さんを食事に誘う。「同窓会で久しぶりに会って話したくなった」からと、会社に電話するなんてなかなか強引です。共通の思い出話に花が咲き、しかも意外と紳士な対応を見せる彼に、川奈さんもリラックスして楽しそう。
しかしなんだろう。彼のこの、全身から漂うあて馬感w ボブの “あて馬らしさ” の定義のひとつ目は、コミ力が高いこと。ふたつ目は、お人好しであること。つまり、ちょっとおせっかいないい人。この人結構当てはまってる気がする。優秀なあて馬は物語を素晴らしく盛り上げてくれるので、是枝くんの頑張りに期待したいと思います。
元気のない川奈さんから、悩みを聞き出す是枝くん。そして、今の自分では頼りない、もっと頑張らなきゃ、と言った川奈さんに対して彼は。
『想いの強さだと思うけど 俺は』

恋愛は努力よりも想いの強さ。早速いいこと言ってるなあ。しかも「しんどいことがあったら 俺 呼び出せよ」ってもう下心見え隠れしてるよね。弱ったところに取り入るのは、奪う手段の王道ですもんね。
実は昔から、川奈さんのことが気になっていた是枝くん。高校時代の回想で、鮎川を見つめる川奈さんを見つめる彼の姿が描かれ(分かりづらい・・・)、長沢さんも含めた今後の四角関係を予感させます。
こちらにもライバル出現か~。でもなんとなく、このまま川奈さんに全く気付いてもらえず、完全にいい友達ポジションに収められちゃって、鮎川と川奈さんの関係がグラついた時に、「俺じゃだめか?」と川奈さんにせまり起死回生をはかろうとするんだけど、結局フラれちゃう彼の未来が見える・・・w
長沢さんと違って、是枝くんは川奈さんにとって脇キャラなのであまり心配いらない気もしますが、長沢さんの登場で彼女がこのままどんどん自信をなくして悪い方向に思いつめてしまうと、是枝くんにチャンス到来するよなーなんて。長沢さんと是枝くんが手を組んだら最強ですね。
6月号は25日(土)発売☆あと3日の我慢・・・。
---
「・・・こっちおいで 川奈」がツボ
『・・・この人 何?』

障がいを負った人と付き合うのは、だれにでもできることじゃない、『わかる?』って、・・・だれ・・この上から目線の美女・・・。嫌な予感しかしない。ていうかどうでもいいかなかなど、少女マンガの美女って下まつげ長いよね!
冒頭から(先週からか?)川奈さんにけんか売ったと思ったら、足をぶつけて負傷した鮎川の手当てを手際よくこなして、じゃっと帰っていく謎の美女。。。
不安げな表情で川奈さんが聞く。
『前看護師だった人がどうしてヘルパーしているの・・・?』
あ、ヘルパーさんなんだ。
『俺が社会復帰したあと 結婚して退職したんだ』
『辞めてからも 少し仕事がしたいって ヘルパーを申し出てくれたんだ』
なんだ、結婚してるのか。
がしかし次の瞬間。

離婚すんのか!
ライバルか。しかも元看護師美女とは・・・なかなか手強い。。
鮎川は何も思っていないとして、じゃあ彼女は鮎川をどう思っているのか、という問いには『・・・手間のかかるヤツと思ってるんじゃないかな・・・』と。
いやいやいやいや、「少し仕事がしたい」はきっと “少しあなたに会いたい” だし、「手間のかかるヤツ(だから好きになっちゃった)」が本心なんじゃないの?鮎川発言の前後にある「・・・」も気になる。本当は彼女の気持ちに気づいているのかな?
最初の上から発言で一気に悪役認定したくなりましたが、実は彼女の存在は鮎川にとってかけがえのないもの。
受傷して荒れていた彼を、そんな状況から立ち直らせてくれた人なのでした。
『あなたこのままでいいの?』

彼女は看護師にしかできないやり方で 俺を外の世界へ引きずり出していった
鮎川の気持ちをリハビリへ向かわせ、さらに、車イスでも一級建築士として活躍する知人を紹介し、彼に生き抜く勇気を与えてくれた。『諦めかけていた夢をもう一度目指すきっかけをくれた人なんだ』、でもそれは恋愛感情とかじゃない、と川奈さんに話す鮎川。
しかし、違うんだ。長沢さんは、恋愛感情だったんだよ!!!
長沢さんには、高熱で入院しうなされている鮎川に、思わずキスしてしまった過去がある。(鮎川に意識があったのかは不明)。その少し前に美姫さんと別れたことを知り、長沢さんの気持ちの歯止めが知らず知らず緩んでしまった結果なのかもしれない。
『ただそばにいて 見守っていられれば それだけでよかったのに』

新たな彼女の出現で、嫉妬でいっぱいになってしまった長沢さん・・・。許されない感情だと押し込めてきた想いに押しつぶされそう。。鮎川の回想では、彼女は優秀な看護師であり、彼の理解者であり、なんだかとてもお似合いに見える。パートナーとして川奈さんより適しているかも・・・と思えるほどに。
川奈さんは川奈さんで、「長沢さんみたいな人の方が 鮎川にふさわしいのかもしれない・・・・」と落ち込んでしまう。
そこに今度は川奈さんと鮎川の高校の同級生・是枝くんが登場。
是枝くんは急に会社に電話をかけてきて、川奈さんを食事に誘う。「同窓会で久しぶりに会って話したくなった」からと、会社に電話するなんてなかなか強引です。共通の思い出話に花が咲き、しかも意外と紳士な対応を見せる彼に、川奈さんもリラックスして楽しそう。
しかしなんだろう。彼のこの、全身から漂うあて馬感w ボブの “あて馬らしさ” の定義のひとつ目は、コミ力が高いこと。ふたつ目は、お人好しであること。つまり、ちょっとおせっかいないい人。この人結構当てはまってる気がする。優秀なあて馬は物語を素晴らしく盛り上げてくれるので、是枝くんの頑張りに期待したいと思います。
元気のない川奈さんから、悩みを聞き出す是枝くん。そして、今の自分では頼りない、もっと頑張らなきゃ、と言った川奈さんに対して彼は。
『想いの強さだと思うけど 俺は』

恋愛は努力よりも想いの強さ。早速いいこと言ってるなあ。しかも「しんどいことがあったら 俺 呼び出せよ」ってもう下心見え隠れしてるよね。弱ったところに取り入るのは、奪う手段の王道ですもんね。
実は昔から、川奈さんのことが気になっていた是枝くん。高校時代の回想で、鮎川を見つめる川奈さんを見つめる彼の姿が描かれ(分かりづらい・・・)、長沢さんも含めた今後の四角関係を予感させます。
こちらにもライバル出現か~。でもなんとなく、このまま川奈さんに全く気付いてもらえず、完全にいい友達ポジションに収められちゃって、鮎川と川奈さんの関係がグラついた時に、「俺じゃだめか?」と川奈さんにせまり起死回生をはかろうとするんだけど、結局フラれちゃう彼の未来が見える・・・w
長沢さんと違って、是枝くんは川奈さんにとって脇キャラなのであまり心配いらない気もしますが、長沢さんの登場で彼女がこのままどんどん自信をなくして悪い方向に思いつめてしまうと、是枝くんにチャンス到来するよなーなんて。長沢さんと是枝くんが手を組んだら最強ですね。
6月号は25日(土)発売☆あと3日の我慢・・・。
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「・・・こっちおいで 川奈」がツボ
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Entry ⇒ 2015.04.23 | Category ⇒ パーフェクトワールド | Comments (4) | Trackbacks (0)
パーフェクトワールド 1巻

パーフェクトワールド(1)(KC KISS)
初恋だった人
再会した彼は 車イスに乗っていた
川奈つぐみ 26歳
インテリアデザイン会社「クランベリーズ」勤務
取引先の設計事務所との飲み会で初恋の人と再会した
これは、予想以上によかった!続きが読みたくて、思わず月刊誌買ってしまったほどよかった。有賀リエ先生の初単行本なのだとか。こんなに読み応えのある作品が初単行本だなんて。他の作品も読んでみたい。
登場人物が障がいを持つ設定の作品では、『このマンガがすごい!2015 オトコ編』で1位になった『聲の形(©大今良時)』が記憶に新しいですね。こういう作品の感想は、言葉にすると薄っぺらくなりそうで、どう書いていいか正直分からないのですが、いい作品だなと思った気持ちのままに書こうと思います。(以下、ネタバレです。)
主人公の川奈さんがある日、取引先の設計事務所との飲み会で、高校の同級生と再会する。その同級生・鮎川樹は初恋の人で・・・という、超少女漫画的展開でスタート。さて、もらった名刺に書かれた「一級建築士」の文字がキラリ。昔からの夢を叶えて、しかも鮎川 かっこよくなったなあ・・・・・・なんて、その横顔を見つめてしまうほど、素敵に成長していた初恋の人。

なんだこのシュガー展開・・・・と嫉妬で目を細めて読んでいると、初恋の君が先に帰ると言い、席を立とうとするのですが、その様子が少し不自然。「持ってきてもらえますか」と言われたお店の人が押してきたのは、車イス。慣れた様子で操作してその場を去っていく鮎川を、川奈さんは驚いた顔で見送る 。同席した彼の職場の人いわく「大学んとき事故にあったらしくて」「歩けないんだ」と。
思いがけない再会に 胸が高鳴った
なのに あの瞬間 一歩引いた自分がいた
再会した初恋の人が車イス。どう思えばいいのか、どう接していいのか戸惑う川奈さん。それでも、仕事で関わる鮎川はとても前向きで周囲から期待もされていて、そんな姿を見て「小学生の頃から建築士になりたいと思っていた」という、高校生の頃の彼の言葉を思い出す。
軽くないテーマながら、明るい描き出し。
しかしここから、車イスの、下半身不随の生活の、川奈さんの知らない厳しい現実が描かれていきます。
例えば一緒に夕飯に行った時、少しの段差でも人の助けを借りなくてはいけない。人の多いエレベーターでは、露骨に嫌な顔をされる。どこへ行っても無遠慮な人の目が追ってくる・・・。そんな日常の出来事を、隣で一緒に体験することで、川奈さんはその負担を実感する。
けれど鮎川の大変さはそれだけじゃない。例えばずっと同じ体勢でいると褥瘡ができて、こじらせると肉がえぐれたような状態になり、手術が必要なほどのおおごとになってしまう。
大切なコンペの前に、無理を続けたからか、ひどい褥瘡を患った鮎川。「このまま入院だって」と聞かされた彼は、愕然とした表情。これまでチーム一丸となって取り組んできた仕事が全て台無しになる…と、病院のベッドでパースを仕上げようとする。うつぶせか横向きにしかなれない状態で、40度近く熱があるのに、不眠不休で、鬼気迫る姿でパースを描く。嘔吐しながらも筆をとるその姿に耐え切れず、「こんなの死んじゃう 次また頑張れば・・・」と、止めようとする川奈さん。
『次がある保証もないのに
いつ死ぬかもわからないのに
今やらなきゃダメなんだ!!』
叫ぶように言った彼を見て思う。
この人は 今まで どれほど 悔しい想いをしてきたんだろう

こうして鮎川と過ごす時間が増える中で、だんだん彼に惹かれていく川奈さん。
でも、恋愛に対して鮎川は一線引いている。

障がいを持つ人と付き合うことの大変さはきっと、その立場にいる人にしか分からない。健常者には想像できないことが沢山ある。例えば「でも 俺 たまにウンコもらすこともあるよ?」と軽い調子でサラリと鮎川は言う。排泄障害。そうなったら誰かに処置してもらわないといけない、それが一生続くんだと。川奈さんを気遣いながら、明るく笑顔で話す鮎川。ここでとっさに「好きになったらウンコくらい平気だよ!!けど食事中に言うかなあ!!」と、驚きながらも強気に言い返した川奈さんがやばいかわいい/////
こうなると鮎川の過去の恋愛が気になってきますが、こんなイケメンなんで、もちろん彼女がいたんです。高校の時から付き合っていたけれど、事故をきっかけに別れてしまったという話。その彼女と、偶然同窓会で再会するのですが、それが涙なくして読めなかった。。。
地元で開かれた同窓会。欠席だったはずの元カノ・美姫さんが来たあたりから、絶対何か起こる雰囲気漂いまくりで、なんかもうハラハラしてしまう。
その彼女が、2人きりになった時に「最後にもう一度会いたかった」と言い、「明日私結婚するの」と。そして、「彼 優しい人でね…一緒にいると落ち着けて・・・・」と言葉を続けた次の瞬間、感情が溢れ出す。
『本当に好きだった 樹』

すがりつくのをこらえるかのように、鮎川の足に手を置いて涙を流す美姫さん。一瞬顔をゆがめた後、その姿を無表情に見つめる鮎川。こんな態度も実は彼女のため。事故に遭ったあと、別れを切り出したのは鮎川だったというのだから、鮎川も彼女を本当に好きだったに違いなく、2人のどうしようもない気持ちが本当にやるせない。
事情を知った川奈さんは翌日、鮎川を結婚式をする教会に無理矢理連れていくんです。初めは断固拒否していた湯川も、川奈さんの説得により、遠くから見るだけ・・・と承諾する。2人が見つめるその先に、ドレスに身を包んだ彼女が出てくる。輝くような笑顔を見て、今度は鮎川が涙する。
『別れたことは間違ってなかった 幸せになってくれてよかった』

「これで俺も忘れられる ありがとう川奈」。事故にさえ遭わなければ、彼は喜びの側にいたはずなのに、と思う川奈さん。何度読んでも目が潤んでしまう。。。彼女と別れてから、鮎川はもう誰とも恋愛しないと心に決めている。そんな鮎川のかたわらで、川奈さんの想いは静かに育っていきます。
私は以前よりももっと 。
彼の事を愛し始めている 。
ある日、スーパーで見かけた夫が車イスの夫婦。仲睦まじい姿に、いいな・・・どうすればあんなふうになれるんだろう・・・と思う川奈さん。

あの夫婦の穏やかな笑顔の陰には多くの困難があったことを、彼女は少しずつ理解し始めている。その困難は、自分も乗り越えなくてはいけないものであることも。でもなかなか自信が持てず、本当に自分に鮎川のパートナーがつとまるのかと自問自答を繰り返します。
そんな中、同じ障がいを持つ高校生との出会います。
バスケの強豪校のエースだったその彼は、もうバスケができない自分を受け入れることができず、引きこもり状態になっている。彼を1年も待ってる彼女のことも放置。しかしその彼女がめげない。なんとも明るいんです。障がいについて色々勉強した上で、「何とかなるって思っています」と笑って言う。
引きこもりの彼を車イスバスケのチームに誘う鮎川。彼と向き合う鮎川の言葉がとても印象的でした。『どうすれば歩けない自分を受け入れられるの・・・?』絞り出すように発した、胸が締め付けられるような言葉に対して鮎川は。

障がいを負ったからこそ学べたことは沢山ある、と言い、でも。
『だからといって障害者でよかったと思ったことなんか 一度もない』
できることなら障がいのない人生を送りたかった、と。いつも前向きで、障がいも受け止めて生きているように見えた鮎川の意外な言葉に驚く川奈さん。そんな切実な本音をもらしたあとに、「俺 今日君とバスケできてすげえ楽しかったよ」。『歩けない人生はキツいけど 何かひとつ楽しい事があれば 生きてけんじゃないかな』と締めくくるところに、鮎川の強さと優しさが滲んで涙が止まらないどうしよう。
そして知らなかった鮎川の一面を知るその度に、川奈さんの想いが少しづつ確かなものになっていく。

そう宣言して迎えた冬。
なんだか川奈さんと鮎川はすでに付き合っているかのごとく、なんですが、そんな中また鮎川が入院してしまう。鮎川の先輩のナベさんから「尿路感染で高熱が出た」と聞き焦る川奈さん。
大したことないと笑う鮎川ですが、実は、これを繰り返すと腎不全で人工透析になる可能性がある。病院に来ていた母親は、無理しないで田舎に帰ってきて欲しい、と鮎川に訴えるものの、いろんなことを諦めて生きているのに、もらったチャンスを自分から諦めることはしないと、きっぱり告げられてしまう。しかし鮎川母も引き下がらない。昂ぶった感情を抑えきれず、「もしものことがあったら、つぐみさん(川奈さん)はどうなるの?」と迫ります。そして、それを偶然川奈さん本人が聞いてしまう展開。
で、鮎川に先手を打たれてしまう。
『もし川奈が俺の事を思ってくれてるんだとしたら 俺 その気持ちには応えられない』

きつい。これはショック。。。
退院後、鮎川母に呼び出された川奈さん。そこでの会話から、彼が様々なリスクを抱えていることを知ります。歩けないことは確かに不自由だけれど、それで命を落とすことはない。むしろ怖いのは腎不全などの合併症。それで亡くなることが多いことから、昔はこの障害を負うと短命になるとまで言われていたのだと。
5年後10年後 大切な人が変わらずそこにいるなんて言いきれないんだ
気が付いた川奈さんは、鮎川に自分の気持ちを伝えることを決めます。
意を決して家の前までいくと、なんと鮎川が飛び出してきて・・・・「猫が逃げた」と・・・・。飼っていた子猫が行方不明に。2人で周辺を探しても、なかなか見つからない。雪がちらつくほどの寒さで、気づけば鮎川の体が震えている。川奈さんが、病み上がりなんだから部屋に戻ってと言っても、そんなことお構いなしに猫の心配をする鮎川。「俺の事はどうでもいいから」の一言に、川奈さんがキレる。
『どうでもいいわけないじゃん!!』
想いが溢れて止まらない。
『自分といても幸せになれないとか そんなの勝手に決めないで!』
『ぜんぶ一人で結論出すのやめてよ!!』
『鮎川の代わりなんていないのに・・・!!』

体が心配だと、死んじゃったらどうしようと・・・鮎川が好きなの、と泣く川奈さん。で、そんな川奈さんを慰めて「泣くなよ」と涙をぬぐう鮎川がかっこいい。
そして、子猫はいたんだ。タンスの中に・・・。そんなほっとするエンディングに、これで終わるのかな~と思っていたら、最後の最後にこんな展開が・・・・!

このシーン、最高に少女漫画で困る。こっちも赤面寸前。
しかもこれで終わらない。髪乾かさないと・・・・からの、キスシーン。1巻でここまで来るのか!川奈さん押すね!キスシーンの背後に、モノローグ。
通じ合ったと思った夜
だけど その夜感じた幸せは
溶けて消える雪のように 脆かった
ここで1巻終了です。
障がいについてほとんど知らない川奈さんが、少しずつ障がいを持つ人生のリアルを知り戸惑いながらも、鮎川の人生に対する覚悟に触れて、彼に次第に心を寄せていく様子が一歩一歩丁寧に描かれていました。読み進めると、それはもう鮎川の魅力が炸裂していて、抗えないほど魅力的。そんな風に鮎川が魅力的であればあるほど、乗り越えなくてはならないものの大きさも一層大きく感じられる。。しかもまだ、1巻。これから先、まだ川奈さんの知らない現実があるに違いなく、もっと大きな課題を乗り越えていかなくちゃいけないはずです。もし自分の大切な人が、同じような状況になったら。もし自分が、鮎川と同じような状況になったら。そんなことを考えてしまう。
ちなみに、テーマは決して軽くないのだけれど、しっかり恋愛マンガです。だって、鮎川がイケメンの限りを尽くしたザ・イケメンなんだよ・・・・・。この正統派イケメン顔はどうなのよ。(『orange』の翔や、『君に届け』の風早くんを彷彿とさせる)。そんな顔にこの人間力。そのせいで、物語の本題を見失いそうになるくらいドキドキして困る。変なテンションの感想書いて自己嫌悪したくないのに。鮎川イケメン…prprprpr とかせず、先生が描こうとしているものを、きちんと受け止めたいのです。だから、ちょっと・・・、あんまりイケメン行動しないで欲しいんだけど・・・結構次の巻とか自信ないな・・・大丈夫かな。
お願いだから鮎川も川奈さんも幸せになってくれ!と祈るしかできないストーリー。有賀先生が描こうとしている「パーフェクトワールド」はどんな世界なのか、しっかり見届けたいです。ひとまず、引き続き雑誌買って単行本買って、売り上げに貢献することで応援しようと思います。
---
お互いを名字で呼び合うところが、同級生らしくてツボ。

なんだこのシュガー展開・・・・と嫉妬で目を細めて読んでいると、初恋の君が先に帰ると言い、席を立とうとするのですが、その様子が少し不自然。「持ってきてもらえますか」と言われたお店の人が押してきたのは、車イス。慣れた様子で操作してその場を去っていく鮎川を、川奈さんは驚いた顔で見送る
思いがけない再会に 胸が高鳴った
なのに あの瞬間 一歩引いた自分がいた
再会した初恋の人が車イス。どう思えばいいのか、どう接していいのか戸惑う川奈さん。それでも、仕事で関わる鮎川はとても前向きで周囲から期待もされていて、そんな姿を見て「小学生の頃から建築士になりたいと思っていた」という、高校生の頃の彼の言葉を思い出す。
軽くないテーマながら、明るい描き出し。
しかしここから、車イスの、下半身不随の生活の、川奈さんの知らない厳しい現実が描かれていきます。
例えば一緒に夕飯に行った時、少しの段差でも人の助けを借りなくてはいけない。人の多いエレベーターでは、露骨に嫌な顔をされる。どこへ行っても無遠慮な人の目が追ってくる・・・。そんな日常の出来事を、隣で一緒に体験することで、川奈さんはその負担を実感する。
けれど鮎川の大変さはそれだけじゃない。例えばずっと同じ体勢でいると褥瘡ができて、こじらせると肉がえぐれたような状態になり、手術が必要なほどのおおごとになってしまう。
大切なコンペの前に、無理を続けたからか、ひどい褥瘡を患った鮎川。「このまま入院だって」と聞かされた彼は、愕然とした表情。これまでチーム一丸となって取り組んできた仕事が全て台無しになる…と、病院のベッドでパースを仕上げようとする。うつぶせか横向きにしかなれない状態で、40度近く熱があるのに、不眠不休で、鬼気迫る姿でパースを描く。嘔吐しながらも筆をとるその姿に耐え切れず、「こんなの死んじゃう 次また頑張れば・・・」と、止めようとする川奈さん。
『次がある保証もないのに
いつ死ぬかもわからないのに
今やらなきゃダメなんだ!!』
叫ぶように言った彼を見て思う。
この人は 今まで どれほど 悔しい想いをしてきたんだろう

こうして鮎川と過ごす時間が増える中で、だんだん彼に惹かれていく川奈さん。
でも、恋愛に対して鮎川は一線引いている。

障がいを持つ人と付き合うことの大変さはきっと、その立場にいる人にしか分からない。健常者には想像できないことが沢山ある。例えば「でも 俺 たまにウンコもらすこともあるよ?」と軽い調子でサラリと鮎川は言う。排泄障害。そうなったら誰かに処置してもらわないといけない、それが一生続くんだと。川奈さんを気遣いながら、明るく笑顔で話す鮎川。ここでとっさに「好きになったらウンコくらい平気だよ!!けど食事中に言うかなあ!!」と、驚きながらも強気に言い返した川奈さんがやばいかわいい/////
こうなると鮎川の過去の恋愛が気になってきますが、こんなイケメンなんで、もちろん彼女がいたんです。高校の時から付き合っていたけれど、事故をきっかけに別れてしまったという話。その彼女と、偶然同窓会で再会するのですが、それが涙なくして読めなかった。。。
地元で開かれた同窓会。欠席だったはずの元カノ・美姫さんが来たあたりから、絶対何か起こる雰囲気漂いまくりで、なんかもうハラハラしてしまう。
その彼女が、2人きりになった時に「最後にもう一度会いたかった」と言い、「明日私結婚するの」と。そして、「彼 優しい人でね…一緒にいると落ち着けて・・・・」と言葉を続けた次の瞬間、感情が溢れ出す。
『本当に好きだった 樹』

すがりつくのをこらえるかのように、鮎川の足に手を置いて涙を流す美姫さん。一瞬顔をゆがめた後、その姿を無表情に見つめる鮎川。こんな態度も実は彼女のため。事故に遭ったあと、別れを切り出したのは鮎川だったというのだから、鮎川も彼女を本当に好きだったに違いなく、2人のどうしようもない気持ちが本当にやるせない。
事情を知った川奈さんは翌日、鮎川を結婚式をする教会に無理矢理連れていくんです。初めは断固拒否していた湯川も、川奈さんの説得により、遠くから見るだけ・・・と承諾する。2人が見つめるその先に、ドレスに身を包んだ彼女が出てくる。輝くような笑顔を見て、今度は鮎川が涙する。
『別れたことは間違ってなかった 幸せになってくれてよかった』

「これで俺も忘れられる ありがとう川奈」。事故にさえ遭わなければ、彼は喜びの側にいたはずなのに、と思う川奈さん。何度読んでも目が潤んでしまう。。。彼女と別れてから、鮎川はもう誰とも恋愛しないと心に決めている。そんな鮎川のかたわらで、川奈さんの想いは静かに育っていきます。
私は以前よりももっと
彼の事を愛し始めている
ある日、スーパーで見かけた夫が車イスの夫婦。仲睦まじい姿に、いいな・・・どうすればあんなふうになれるんだろう・・・と思う川奈さん。

あの夫婦の穏やかな笑顔の陰には多くの困難があったことを、彼女は少しずつ理解し始めている。その困難は、自分も乗り越えなくてはいけないものであることも。でもなかなか自信が持てず、本当に自分に鮎川のパートナーがつとまるのかと自問自答を繰り返します。
そんな中、同じ障がいを持つ高校生との出会います。
バスケの強豪校のエースだったその彼は、もうバスケができない自分を受け入れることができず、引きこもり状態になっている。彼を1年も待ってる彼女のことも放置。しかしその彼女がめげない。なんとも明るいんです。障がいについて色々勉強した上で、「何とかなるって思っています」と笑って言う。
引きこもりの彼を車イスバスケのチームに誘う鮎川。彼と向き合う鮎川の言葉がとても印象的でした。『どうすれば歩けない自分を受け入れられるの・・・?』絞り出すように発した、胸が締め付けられるような言葉に対して鮎川は。

障がいを負ったからこそ学べたことは沢山ある、と言い、でも。
『だからといって障害者でよかったと思ったことなんか 一度もない』
できることなら障がいのない人生を送りたかった、と。いつも前向きで、障がいも受け止めて生きているように見えた鮎川の意外な言葉に驚く川奈さん。そんな切実な本音をもらしたあとに、「俺 今日君とバスケできてすげえ楽しかったよ」。『歩けない人生はキツいけど 何かひとつ楽しい事があれば 生きてけんじゃないかな』と締めくくるところに、鮎川の強さと優しさが滲んで涙が止まらないどうしよう。
そして知らなかった鮎川の一面を知るその度に、川奈さんの想いが少しづつ確かなものになっていく。

そう宣言して迎えた冬。
なんだか川奈さんと鮎川はすでに付き合っているかのごとく、なんですが、そんな中また鮎川が入院してしまう。鮎川の先輩のナベさんから「尿路感染で高熱が出た」と聞き焦る川奈さん。
大したことないと笑う鮎川ですが、実は、これを繰り返すと腎不全で人工透析になる可能性がある。病院に来ていた母親は、無理しないで田舎に帰ってきて欲しい、と鮎川に訴えるものの、いろんなことを諦めて生きているのに、もらったチャンスを自分から諦めることはしないと、きっぱり告げられてしまう。しかし鮎川母も引き下がらない。昂ぶった感情を抑えきれず、「もしものことがあったら、つぐみさん(川奈さん)はどうなるの?」と迫ります。そして、それを偶然川奈さん本人が聞いてしまう展開。
で、鮎川に先手を打たれてしまう。
『もし川奈が俺の事を思ってくれてるんだとしたら 俺 その気持ちには応えられない』

きつい。これはショック。。。
退院後、鮎川母に呼び出された川奈さん。そこでの会話から、彼が様々なリスクを抱えていることを知ります。歩けないことは確かに不自由だけれど、それで命を落とすことはない。むしろ怖いのは腎不全などの合併症。それで亡くなることが多いことから、昔はこの障害を負うと短命になるとまで言われていたのだと。
5年後10年後 大切な人が変わらずそこにいるなんて言いきれないんだ
気が付いた川奈さんは、鮎川に自分の気持ちを伝えることを決めます。
意を決して家の前までいくと、なんと鮎川が飛び出してきて・・・・「猫が逃げた」と・・・・。飼っていた子猫が行方不明に。2人で周辺を探しても、なかなか見つからない。雪がちらつくほどの寒さで、気づけば鮎川の体が震えている。川奈さんが、病み上がりなんだから部屋に戻ってと言っても、そんなことお構いなしに猫の心配をする鮎川。「俺の事はどうでもいいから」の一言に、川奈さんがキレる。
『どうでもいいわけないじゃん!!』
想いが溢れて止まらない。
『自分といても幸せになれないとか そんなの勝手に決めないで!』
『ぜんぶ一人で結論出すのやめてよ!!』
『鮎川の代わりなんていないのに・・・!!』

体が心配だと、死んじゃったらどうしようと・・・鮎川が好きなの、と泣く川奈さん。で、そんな川奈さんを慰めて「泣くなよ」と涙をぬぐう鮎川がかっこいい。
そして、子猫はいたんだ。タンスの中に・・・。そんなほっとするエンディングに、これで終わるのかな~と思っていたら、最後の最後にこんな展開が・・・・!

このシーン、最高に少女漫画で困る。こっちも赤面寸前。
しかもこれで終わらない。髪乾かさないと・・・・からの、キスシーン。1巻でここまで来るのか!川奈さん押すね!キスシーンの背後に、モノローグ。
通じ合ったと思った夜
だけど その夜感じた幸せは
溶けて消える雪のように 脆かった
ここで1巻終了です。
障がいについてほとんど知らない川奈さんが、少しずつ障がいを持つ人生のリアルを知り戸惑いながらも、鮎川の人生に対する覚悟に触れて、彼に次第に心を寄せていく様子が一歩一歩丁寧に描かれていました。読み進めると、それはもう鮎川の魅力が炸裂していて、抗えないほど魅力的。そんな風に鮎川が魅力的であればあるほど、乗り越えなくてはならないものの大きさも一層大きく感じられる。。しかもまだ、1巻。これから先、まだ川奈さんの知らない現実があるに違いなく、もっと大きな課題を乗り越えていかなくちゃいけないはずです。もし自分の大切な人が、同じような状況になったら。もし自分が、鮎川と同じような状況になったら。そんなことを考えてしまう。
ちなみに、テーマは決して軽くないのだけれど、しっかり恋愛マンガです。だって、鮎川がイケメンの限りを尽くしたザ・イケメンなんだよ・・・・・。この正統派イケメン顔はどうなのよ。(『orange』の翔や、『君に届け』の風早くんを彷彿とさせる)。そんな顔にこの人間力。そのせいで、物語の本題を見失いそうになるくらいドキドキして困る。変なテンションの感想書いて自己嫌悪したくないのに。鮎川イケメン…prprprpr とかせず、先生が描こうとしているものを、きちんと受け止めたいのです。だから、ちょっと・・・、あんまりイケメン行動しないで欲しいんだけど・・・結構次の巻とか自信ないな・・・大丈夫かな。
お願いだから鮎川も川奈さんも幸せになってくれ!と祈るしかできないストーリー。有賀先生が描こうとしている「パーフェクトワールド」はどんな世界なのか、しっかり見届けたいです。ひとまず、引き続き雑誌買って単行本買って、売り上げに貢献することで応援しようと思います。
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お互いを名字で呼び合うところが、同級生らしくてツボ。
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Entry ⇒ 2015.04.21 | Category ⇒ パーフェクトワールド | Comments (10) | Trackbacks (0)