はじめは言葉が少なすぎて「・・・」ばっかり打ってましたけど、もうすっかり普通のカップルになりましたね。でも9巻でまだこの状態って、かなり先が長そうですね。嬉しいです。
遊園地での一件以降、クラスで「別れた」と噂を立てられてしまう2人。嫌いになったわけではなく、ケンカでもなく、会って話したいと思っているのに、何を話せばいいのか分からず怖い・・・。恋は難しい・・・と悩むすいれん。
あれから会話がなく迎えた水曜日。放課後、いつものカフェに来てくれるのか、すいれんは緊張の面持ちで待っていました。そこに走って川澄が現れる。その姿を見て、来てくれて良かったと思う気持ちと同じくらい、何を話していいか分からない緊張感でいっぱいのすいれん。
2人はいつも通り向かい合って座ってみたものの、会話もなく気まずい空気が流れているわけなんですけど、そこに後ちゃんがやってくる。ドサっと川澄の横に座り、一言の会話もない2人の前で「チューした?」と爆弾投下。わあああやめて!!チューとか今かなりNGワードだから!!!ていうか、ちょっとでも刺激を与えたら爆発するニトログリセリンのような危険な状態だって、見て分かれよ!分かった上でのあえての爆弾投下ならホント迷惑極まりないよ!!
その言葉にジワーっと涙目になるすいれん。言ったよ、私・・・と。そーだよ、そーなんだよ!言ったんだ!あのすいれんがキスしたいって言ったんだ!それなのに川澄の野郎・・・。そんなすいれんを向かいで見つめる後ちゃん・・・・・が、すっげーかっこいいwなにこのコマ、神。そして、ちょっと川澄かばうような事をあれこれ言った挙句、「めんどくさいな女って~」とかまとめコメントして、じゃあ行くわ、って去っていく・・・本当に自由だな。
このあと、川澄が寂しげな顔して「俺とつきあって楽しい?」って聞くんです。その時のすいれんのモノローグに感じ入る。
恋がこんなに 体中を 何も悪くないのに 使えないものにしていって
幸せになれるのかなって考えた時が 思い出せば今より幸せで
こんな事 乗り越えたいのに やり方がわからないこれって、あるある!相手を好きすぎると、付き合うのって楽しいより苦しい。好かれたいから遠慮して、気を使って、無理して、わがままどころか、本音のひとつも言い出せなくなってしまう。でも実は、それこそが好きの証だったりする。心底好きな人と付き合った時の苦しさは恋愛の醍醐味なのだと気がつくのは、そこまで好きじゃない人と付き合った時で、あーなんであの時もっと頑張れなかったんだ自分よ!とモーレツに後悔しても、いろいろ後の祭りだったりする。。。だから今頑張れすいれん!
そんな願いも虚しく、カフェからの帰り道、すいれんと川澄はお互いを好きな気持ちを確認し合うものの、今のままではダメだと思って、結局・・・
『・・・・・・少しだけ お互い・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・ゆっくり・・・・・・ ・・・・・・・・・考えよ・・・・・・』
と、距離を置くことになる。
雨の中、すいれんが「となりに居て」と傘もささずに川澄に抱き付いて、「大丈夫 ずっと居る」って川澄が抱きしめ返すシーンは、超ドラマチックで滾りました。さながら90年代の恋愛ドラマのワンシーン。久々に、こういう王道のシーンを見た気がする!でもこれ、不器用なすいれんと川澄だから、日々蝶々だから一層素晴らしかったんだと思う。普通のカップルではこのドラマチックさは感じられなかった。普段感情をあらわにしない、きつく抱き合うなんてあり得ない、そんな2人だからこその名シーンだったと思う。
さて、距離を置いている間、話したり一緒に帰ったり直接の接点はなくなるんですけど、偶然席が前と後ろになって、プリントを回す時に目が合ったり、川澄のシャーペンの音をすいれんが聞いてたり、川澄が屋上にいるすいれんをふと見上げたり・・・かするくらいの距離感でお互いを感じている描写が繊細で、なんかキュンとする。
夏休みの少し前、すいれんの席に川澄がそっとメモを置く。そこには、「祭り 一緒に行こう」と。
そして夏休みに突入。しばらくしてお祭りの日。
2度目のお祭りは、お面なしw 久しぶでぎこちないながらも、射的したりヨーヨー釣ったり、足が痛いすいれんを川澄がお姫様だっこというプライスレスな体験もあり、だんだん、前の2人のような自然なコミュニケーショに。
お互いの本音を語る2人。
『ききたかったの 会わない間 どうだった?』
『カッコ悪いけど さみしかった』
いやいやいやいや、かっこいいって。川澄くんがそんな事言うなんて・・・・ってすいれんが言ってますけど、全く同じ気持ちです。あの川澄が・・・//////////////////
さみしくて会いたかったというすいれんに、「電話くれたら会いに行くのに、日曜でも平日でも夜中でも」とか真顔でしれっと言う川澄がなんだか急にイケメンで困るんですけど。
やっぱり話さないとだめだと気付き、ぶつかり合う事を決めた2人は、とりあえず、元通り。
で、今巻のもうひとつの読みどころは、後半。
すいれんが自分の弱さや甘えに気が付いて、強くなろうと考えはじめる。それは、自分のためでもあり、これまで守ってきてくれたあやちゃんのためでもある。あやちゃんが「男めんどくさい」と言うのは、自分を守ってきた事も関係していると、すいれんは思うんです。
じゃあ、どうやって強くなろうかと思った時、空手道場の前を通りかかる。
そして、後平くんと遭遇。
その時、後平くんの後輩と思われる女子がキャーキャー言いながら後平に声援を送る。はいはいどーも、と流す後平くん。ちょーテキトーにw それを見ていたすいれんは、思わず後平くんのシャツの裾を掴む。
『ど・・・・・・・・・・・・・・・・・・うしたら・・・・・・・ そんなに・・・・・・ 強く・・・・・・なれ・・・ますか・・・?』
これには、あやちゃんも後平くんも、本人もびっくり。
心を強くしたいと言われた後平は、一度は突き放すものの、
『火曜日、あのカフェのチーズケーキおごれる?」』と。
いいですね~この手慣れたセリフ!!あのカフェのチーズケーキおごれる?ですよ。どこから突っ込んだらいいのやら!あのカフェのチーズケー・・・ってしつこいですね、すみません。超ヒットしてしまいました。川澄くんも捨てがたいけど、俺様な後平くんがたまらん素敵です。
そんなわけで火曜日!
川澄には「あやちゃんも一緒」と嘘までついて、後平くんに会うすいれん。すいれんが強くなりたいのは、あやちゃんのてめでもある。だからこれは、一人で会わないと意味がない、と思っている。
さて、心配してくれたあやちゃんがカフェの入口まで送ってきてくれたのですが、そこで後平くんが失礼なひとこと。
『弱いって 原因そーゆー所にあんじゃね』。なんかそれみんな薄々気が付いてるし、今ちょっと地雷だからやめて欲しいんですけど・・・って事に容赦なく切り込んでくる後平くん。あやちゃんを傷つけないでと言うすいれんに「傷つけてない 気付かせただけ」とばっさり。
ここから、苦手な相手に悩み相談という苦行タイム。悩みを話し始めるすいれん。
「川澄くんに挨拶しただけで周りが・・・」と言えば、「全員にあいさつすりゃいんじゃね?ハイタッチしながらサヨナラとか」とそれができれば苦労は・・・な回答。しかも、おれはそんなことしねーけどって、、、バカにしてんのか!なやりとりなのに、そんな回答をメモを取りながら聞くすいれんが健気すぎる。

後平くんは、なぜ今日来たのか。
一番に言いたかったんだな どうしてもこの子に
どこがそんなに・・・・・・
多分分かりたかった 川澄の彼女の良さ川澄が、勝ったことを真っ先に伝えたかった相手がどんな人なのか、興味があった。つまり川澄のことが気になってるんですね、後ちゃんは。でも、それは分からなかったような、描かれ方です。
お店を出て、後平くんはスタスタ先に行ってしまう。
するとすぐに、後ろから声が聞こえてくる。「ここで何してるんですか?ひとり?」。振り返ると、さっそくすいれんが見知らぬ男性2人組に声をかけられて、ビクビクしている。
その様子を見て、ハァと溜息をついた後ちゃん、振り向いてひとこと。
『すいれん』
・・・・・・・・・・・・・・うっ・・・・・・・ドサッ・・・・
一撃必殺・・・!!!なんだこれ。威力ぱねぇ。。。本を持つ手が痺れてページをめくる事ができない。次のページも気になるけど、このひとコマをずっと見ていたいって両腕が言ってる。イケメンの振り向きざま呼び捨てがこんなに凄まじい力を持っているとは知らなかったぜ・・・。
しかしこれはイケメンに限る注釈が必要だ。普通は振り向きざまに下の名前呼び捨てなんてしようもんなら、「は?犬じゃねーし。」「呼び捨てとか何様?」と氷よりも冷たい視線を浴びせられた挙句、その場にひとり取り残されて結局自分が追いかけなきゃいけない痛い状況に陥り、周囲から悲しい視線に晒される極めて危険な行為です。
ああ神様、地球と私の間のより、後平と私の間に生じる引力の方が万倍強いです。自分をまっすぐ保てそうにありません。後平くんはいまのところ、どうしたって川澄よりかっこいい。努力するイケメンの無敵のかっこよさが好き。
すいれんの家まで送ることにした後平くん、無言で並んであるいているうちに、ふとすいれんが、壱に見えてくるw 川澄くんも言っていましたけど、すいれんは川澄・兄の壱と雰囲気が似ているようです。それに気が付いた後ちゃん、楽しそうにちょっとニヤっと笑う。すいれんの良さ、にちょっと気が付いたのかもしれない。
無事すいれんの家につき、そのまま帰ろうとする後平くん。
その時、すいれんがススーっと出てきて後平くんの前に立ちはだかり、恐る恐る手を上げる。そして。
『・・・・・・さよ・・・うな・・・ら・・・・・・で・・・す・・・』
その姿をじーっと見ていた後平くん。パアンと手を打って、ニっと笑う。そんな彼に深々と頭を下げてお礼を言うすいれん。
家に入ろうとしたその時、後ろから後平くんが声をかける。
『やっぱハイタッチはしない方がいんじゃねぇ?』そう言うとくるっと背を向けてしまう。

うわあああああ きたかーーー!!!!!!この最後の表情!!!こっちまで赤面しちゃうぜ フゥ~!!////////////// 分かりたかった “川澄の彼女の良さ” 、分かりすぎちゃいましたねーーーー!!!!!体感しちゃったよねーーーー!!!!
すいれんの持ち味は素直さと芯の強さですよね。しかも、一般的に美人は気が強いイメージなのに、素直。いつもビクビクしてるのに、芯が強い。っていうギャップまであるから最高。ギャップは大きな魅力です。
人が素直な人の事を好ましく思うのは、突き詰めると俺(私)がその人に影響を与えたっていう、自己効力感が持てるからなんだろう。ましてや今回のように、相手がすっごい美男美女な場合とか、もしくは天邪鬼で気難しくて人の言う事なんて聞かないタイプだとか、何かしら “あの人が自分の言う事聞いてくれるわけない” 要素があって、そんな人が素直だと、より一層効力感を得られる。で、そんな風に自分から影響を受けてくれる相手が愛しくなるのは、実に自然な人のココロだと思うわけです。その自己効力感で、男性は支配欲を満たして、女性は愛情を確認しているんだろうなあ。
ああでも、後平くんにはそのまますいれんになびかずにいて孤高のポジション守って欲しかった気もするし、でもすいれんを好きになって三角関係になるために出てきた人だって分かってるし、でも高嶺の花にだって惚れない王様というか俺様な感じをこのまま愉しみたかった気もするし、でもすいれんの事を気になり出した後平くんの戸惑いとか考えただけであんまりないはずの私のSゴコロですらフツフツと滾ってしまうし、でもすいれんを選ぶなんて例え内面に惚れたんだとしても外見に群がる他の男と同じようでちょっと複雑な気持ちだし、でもやっぱり攻めの後平くんの言動なんて即死レベルでかっこいいに違いなくてキュン死したくてたまらない私がいるし…。とても困るんだよ。どっちも読みたくて。
ひとつ確実な事は、後平教に入信した私にとっては、後平様がどれだけ沢山のコマに出てくるかと、どれだけ俺様発言でキュンとさせてくれるかが、今後の全てという事です。本気を出した後平くんがどれだけすごいかなんて、ちょっと想像できない。できないっていうか、したくない。まだ自分の妄想に興奮して死ぬわけにいかないから。次の巻、3月25日だそうです。どうしよう、すっごいすっごい楽しみ!でもまだ10巻じゃ後平無双しないよね。もっと先だよね。てことは1年後くらいかな。ああ、先が長いな。。。
でもまた、私の大好きな小春ちゃんがすいれんを原因に失恋するのかと思うと、つらい。それだけがつらい。
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(あなたの方がかわいいし)っていうゆりちゃんの心の声が、無性にかわいくてお気に入り。