12歳は青春と呼ぶにはまだちょっと若く、なんたって不器用過ぎて数々の失敗をし、後に “黒歴史” と呼ぶ事になる時期です。思い出すと恥ずかし死にしたくなる過去って、中学時代に集結してませんか?私はしています(キッパリ だから中学生のみなさん、とっても気をつけて毎日を過ごして!w
やたら自意識過剰で、色々自分を勘違いしていたあの頃。この作品は、大人読者がごみ箱へ入れて消し去ったはずの恥ずかしい記憶が、強制的に蘇ってくる恐ろしい作品です。それでは以下、あらすじと感想です!
思春期真っ只中、悩み多き年頃です。理想や憧れに引きずられて、あるがままを受け入れきれない時期。

そんなイケが、特別な何かではなく日常生活の中で、周囲との関わりを通じて少しずつ成長していくのですが、イケと関わりを持つ主要メンバーは。
イケの美人なお友達・美海。

イケがちょっと思いを寄せる3年生・陸上部の宇田川部長。

イケにちょっかいを出す大阪からの転校生・丸毛(まるも)。

丸毛かわいい。宇田川部長は3年生という事もあり、この中ではちょっと大人です。中1と中3て大違いですからね。
さて、ある日イケは美海のある一言で、宇田川部長を意識するようになります。ちょっと気になる程度の人だったのに、友達に言われ続けているうちに、なんだか本当に好きな気がしてくるという、アレですww
恋心らしきものを初めて抱いたイケ。おしゃれするなんて男子への敗北!と言い、寝ぐせがついていても全く気にしないイケが、髪をブローしちゃったりする。そんなわかりやすい変化が超かわいい。でも、大人だって似たようなもんだ。いつもの職場と、綺麗なorかっこいい人がいる取引先との商談では、メイクの濃さが違いますもの。
ところが。その先輩はあろうことかイケに先輩をプッシュしてきた美海を好きだという事が判明。しかもそれを美海本人の口から聞く事になるという…なんたる気まずい展開。あっさり恋が終わっちゃったよ。。
そんな折、丸毛がいつもの悪ふざけでイケをからかってしまうんです。自信喪失中、かつ、美海への嫉妬で苛立っていたイケは。
『本気でうぜーんだよバカ!!』
怒りの原因となった丸毛の行動は、胸のないイケをからかうようなギャグ。その小学生男子かと思う行動にどっと疲れ、男子ってバカだなと思う瞬間でもありますが、こういうことやってる男子らしい男子が、後で男らしい男になるのは案外よくある話。よって、丸毛の将来が有望です!w
さて、怒られた丸毛はイケを待ち伏せし、犬の散歩中のイケに声をかける。
『もう言わへんから 許して』
しゅんとした様子で謝る丸毛。かわいい!イケも八つ当たり半分だったと反省し、仲直りした2人。ここで丸毛が、池大好き動物大好き、つまり自然大好き人間だという事が判明。特に何もない地元に微妙なコンプレックスを抱いているイケは、「麦畑がキレーすぎて感動した」という丸毛の言葉にびっくり。
地元愛が刺激され、この町のあんな事こんな事を夢中で丸毛に話します。会話は盛り上がり、みんなには秘密にしている漫画家になるという将来の夢まで話してしまうイケ。やべーこりゃ恋愛フラグ立ったねー。
イケの自宅はチャリ通学と徒歩通学区域の境目、徒歩区域の方。学校まで毎日長距離歩かなくてはなりません。歩くイケの横を丸毛がね、チャリです~っと通っていくのですが。
『カバン』
わお。カバン持ってやるってか。丸毛、好きwww こんな事されたら惚れやすい私はイチコロです。いーなー!かっこいいクラスの男子がカバン持ってやるとか、いーなー!!大好きだぜ、丸毛!!!
でも、中学生の頃って、男女でちょっと仲がいいと冷やかしの的になるものじゃないですか。イケと丸毛も例に漏れず、からかう事が大好きな面倒くさいクラスメイトの餌食になってしまいます。

丸毛は「言わしとけ」「別に悪いことしとらん」と気に留めない。むしろ、関西人の血が騒ぐのか、ちょっとおいしいとすら思っているきらいがありますw 男らしくて大人な対応をした彼をちょっと見直しました。一方、単純なイケは周囲からの好奇の目に耐えられず、鬱々としてしまう。
もうね、イケが痛いんだ。みんな面白がって軽い気持ちでからかっているだけなのに、真に受けてムキになっちゃって…挙句深刻に思い悩む。。でも、それが他人事じゃないんだ!身に覚えがあるんだ!超ワカるんだ!きっとイケは過去の私なんだww もちろん、同じ経験をしたわけじゃないのですが(私は女子校だった)、でもこの、誰もあんたにそんなに興味ないから安心しなよ、とポンポン肩をたたいてあげたくなる自意識過剰な感じがね、デジャヴなんだよ!!!見ていると、分かるわ~と思う一方、わぁぁぁ恥ずかしいぃぃぃやめてぇぇぇ!ってなるんだけどどうですか、大人のみなさま?!!
さて、すっかり心の余裕を無くし追い詰められたイケは、雨の降る帰り道、カバンを持つよと言ってくれた丸毛に、感情をぶつけてしまいます。そしてその時に、イケの描きかけの絵が水たまりに落ちてしまう。。思わず出た言葉は。
『もうほっといて!!あたしに構わないで!!』
「あんたとウワサになりたくない」って当の本人に言うとはひどいなw この後イケは風疹になって約1週間学校を休む事になり、その間に噂は終息。休んでいる間にその事を知ったイケは、案外噂なんて本人が騒がなければ消えていくものなのだと実感して、我が身を振り返り反省する。
丸毛に謝ろうと勇気を出して丸毛宅に電話するものの、留守番電話という肩すかし。親が出たらどうしようっていう緊張感、携帯出現によりこの世から消えたと思っていたけれど、まだその緊張感と戦わなきゃいけない中学生もいるのかな。繋いでもらった後の聞き耳の方もまたイヤですよね。
イケは結局、留守番電話に名前も名乗らず「ごめん」とだけ吹き込み切ってしまうのですが、丸毛がそれを聞いて、家までお見舞いに来てくれるんです。落とした花の絵の代わりにと、貴重な花を持って。
女の子の家に単身で訪ねるなんて、男らしい丸毛にマジで惚れる。家族へもきちんと挨拶して、用が済んだらお辞儀をして帰っていく男前な丸毛。電話でジタバタしていたイケと大違い。
そんな丸毛にイケも素直になり、もう一度勇気を出して謝ります。
『ごめん』
丸毛卑怯!その笑顔卑怯やで!!イケも思わず赤面ですよ。きたよーきたよー!!!恋落ちした瞬間ですね!!!まだ自覚のない恋心が芽生えたところで1巻終了。
主人公が12歳という事は、がっつり恋愛に発展するわけじゃないんだろうな。2巻あたりですぐに高校生になるかと思ったのですが、どうやら編集長の意向で主人公が中学生設定になったようなので、あっさり高校生にはならずこのまま中学生のスクールライフが続くのでしょう。友達以上くらいの微妙な関係を見てニヲニヲする展開という事ですね。それもまたよし!
丸毛はキュン製造機になりそうな予感です。絶対かっこよくなる!2巻読みながらゴロンゴロンする自分が視えるww そしてイケも丸毛にキュンとして、でもそんな自分を認められなくて、でもやっぱりキュンとして、ツンデレ街道まっしぐらになりそうだ。という事で、丸毛の成長を楽しみに2巻を待ちたいと思います!
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中1のみなさんのビジュアル完成度が高い。
↓いつも拍手ありがとうございますm(_ _)m