「冒険ファンタジーの大傑作、ここに誕生!!」という帯を読み、ファンタジー好きなら買わねばなるまいと、ほいほいつられて発売日に購入した、七つの大罪1巻です。書きかけのまま、アップできていませんでした。
しかし帯って常に挑発的なまでに盛り盛りですよね。「漫画の歴史を塗り替える壮大なスケールと多彩なキャラクター群!」。さすがに言い過ぎだろーと思いますが、きっと私のような人が引っかかるのでしょう。
さて、ページをめくると、そこにはさっそく鎧の騎士の姿が。冒険ファンタジーらしい中世ヨーロッパの世界観が広がり、ダイの大冒険やロトの紋章を思わせます。ファンタジーの王道!ワクワク
お客さん達の話題は、近頃出没するという “さまよう錆の騎士” の噂と、手配板に貼られた大罪人<七つの大罪>。

かつて王国の転覆を謀ったとされる、七人の大罪人。そのさまよう錆の騎士は、うわごとのように「七つの大罪」と呟くのだそうです。もしかして、その騎士が七つの大罪のユーレイなんじゃ!?と憶測でワイワイと盛り上がる中、お店の扉が開き、入ってきたのは
なんと、さまよう錆の騎士。
お客さん達は蜘蛛の子を散らすように逃げていき、残ったのはマスターと店員の喋る豚・ホークだけ。
騎士はフラフラと店の中に入ってくるや否やその場にグシャっと倒れこみます。倒れた拍子に鉄仮面が外れ、中から出てきたのは。

女の子。しかもかわいい。
意識が戻ったその女の子は、鎧姿だった理由をメリオダスに聞かれ、こう答えます。
『…捜しているんです<七つの大罪>を』わたくし、なんだかワケありっぽいこの女の子の正体は、どこかのお姫様に違いないと思うのであります。この物語には、そういうファンタジーの王道を求めたい!
そこに、七つの大罪とおぼしきさまよう騎士を捕らえに、聖騎士配下の騎士団が現れます。メリオダスは女の子を裏手から逃がし、追っ手から逃れる手助けをするのですが、その中で彼女から七つの大罪探しの理由を聞き出します。
『私が<七つの大罪>を捜し 旅する理由は… 聖騎士たちを止めるためです』聖騎士は、ブリタニア王国を守る騎士の中の騎士と言われ、たった一人でも一国の兵力に匹敵するほどの力を持つ存在。なぜその英雄を止めなければならないのか…。
『その彼らが この国に戦をもたらそうとしていたら?』ブリタニア王国は、聖騎士のクーデターによって既にその手中に陥落。国民を巻き込み、戦の準備を始めた彼らを止めるには、<七つの大罪>の力が必要。それが彼らを捜す理由でした。
そんな会話の最中に、再び追っ手の騎士団の長が現れます。聖騎士登場!??と思うには、明らかに雑魚と分かるセコイ悪役顔。
その雑魚風の騎士が、女の子が「エリザベス王女」だと見抜きます。そうだろうそうだろう。ベタすぎる王女の名前に大満足w
事故死を装って殺してしまえと、騎士団長が命を狙う中、再びメリオダスに救われるエリザベス王女。名前も知らないあなたをこれ以上巻き込みたくない、と泣き崩れる王女様にメリオダスは。
『メリオダス それがオレの名前だ』
メリオダス…その名前は、あの掲示板の手配所の中央にある大罪人の名前と同じ。そして、<七つの大罪>には、体のどこかに獣をシンボルとした印があるといいます。メリオダスのちぎれた服からのぞく腕には、龍の印。
対する騎士団も、その名前にピンと来た様子。そして。
『<七つの大罪>憤怒の罪のメリオダス!!!』
刃折れの剣で手加減しているにも関わらず、たった一振りで敵を空の果てまで飛ばす程の攻撃力を見せつけ、あっけなく騎士団を撃退。
表紙でも持ってる刃折れの剣。るろ剣の逆刃刀のようなものですね。武器レベルで手抜きしないとうっかり殺しちゃうからさっ♪と言わんばかりの、自らにハンディを設ける強者の余裕。いいと思います。
執念で七つの大罪のひとりにたどり着いたエリザベス王女。
『一緒に…いくだろ?』そして、ワケあって残りの六人を捜しているメリオダスとホークと共に、移動酒場の店主&看板娘をして情報を集めながら、七つの大罪の他の仲間を捜す旅へ。
お尋ね者のメリオダスが人に見つからないのは、彼の外見が10年前と変わっていない事が理由のようです。まるで時間が止まったように、少年のまま。そのために、騎士団もはじめは名前を聞いても半信半疑でした。その辺の事情もこれから明らかにされるのでしょう。
さて、メリオダス一行はバーニャ村へ到着。
ここは豊かな水資源を持ち、特別なハーブの自生する土地で、それらから造られる絶品のバーニャ・エール(酒)が特産品の村。
この村ではある事件が起きていました。発端は、数日前この村に聖騎士が訪れた時の事、銘酒と名高いバーニャのエールを口にした聖騎士の
『不味い。』という一言でした。
そんなはずはない。誰もがそう思いながらも聖騎士に逆えずにいた中、酒造りのプライドを傷つけたその言葉に、村の子供が激怒。聖騎士にイヤがらせをした結果、聖騎士の怒りに触れ、魔力で水資源を封じ込められてしまいました。
この回想シーンで初めて本物の聖騎士が登場。うそっイケメンッッ!!!しかも正統派!!!生徒会長系!!!
しかし分かったことは、例えるなら芸能人格付けランキングでウン十万円のワインを1500円認定してしまうドヤ顔の自称・違いの分かる男と同じレベルで、残念なお方だという事。こうなると、イケメンであればある程、かっこいい事言えば言う程、逆に滑稽さが増してしまう残念スパイラルに突入ですね。お疲れさまです。
さて、水が枯れていくのは、地面に刺さった魔力の込められた剣のせい。これを抜かなければ水が湧かない。お酒も作れない。村の男達は全員で力を合わせて、まるで綱引きのように渾身の力で引き抜こうとするのですが、抜ける気配がありません。
そこにメリオダスが登場し、
『ごちそーさん。悪いけど 今 持ちあわせねーから…… これでいーか?』と、ジョッキ2杯の酒代の代わりに剣をスラリと抜いてみる。村の子供の、村人の酒造りの誇りを守ろうという心意気に応えた形。あーここにもイケメン。むしろこっちが本当のイケメン。メリオダス様と呼びたい。
これで村に平和が訪れる!かと思ったら、正体不明の少年が剣を抜いた事があっという間に聖騎士・ギルサンダーの耳に入り、当然ギルサンダーは七つの大罪の出現を疑う展開。
そして、今度は魔力を込めた槍を城からバーニャ村に向かって投げます。

もう一度言います。聖騎士は、槍を城からバーニャ村に向かって投げます… スケールがよく分からないw 槍って目視できる標的に向かって投げるもんじゃないの。もうこれ、完全に弾道ミサイルw
物凄い精度でバーニャ村に向かっていく槍。その槍が地面に刺さり村が壊滅する寸前に、槍を片手でキャッチするメリオダス。外野がフライを取るような行為ですが、その勢いたるや、体ごと吹っ飛ばされて、壁や家を何棟も突き抜けても軽く100m以上は止まらない程の凄まじい運動エネルギー。
そして、今度はその槍を投げ返します。

メリオダスが投げた槍は、聖騎士の顔面を直撃しようかという素晴らしい弾道。

やっぱりイケメン!!フ~!!!
すごいスケールのキャッチボール、ならぬキャッチスピア!ところが。推定飛距離は東京と小田原くらいあるんだろうと興奮していたら、城とバーニャの距離は約12kmだった。東京ー池袋くらい。。ちょっとガッカリ。。
メリオダスはかなり前から槍が飛んで来る事を感じ取っていたのに、ギルサンダーは結構ギリギリまで分からなかったようですね。察知する力はメリオダスに軍配か?なんにせよ、この応酬から聖騎士とメリオダスの規格外の力が垣間見えます。
さて、今巻ではもう一人の七つの大罪が見つけ出されます。
それがこちら。

ディアンヌ。元団長・メリオダスにベタ惚れの巨大な女性。
罪名は「嫉妬の罪」。メリオダスとエリザベスの仲を勘違いしたディアンヌは、罪名に思わず納得の爆発ぶりを見せつけてくれます。しかし、若かったり、巨大だったり、七つの大罪は全てが規格外ですね。
ディアンヌとの会話で、メリオダスは、自分が罪人にされてしまった日の記憶がほとんどないと言います。それが、他の六人を捜している理由。
王国最強の騎士団だったメリオダス達七人が、七つの大罪となってしまったその日。聖騎士長に呼び出され、町外れの古城へ向かったメリオダス達。そこにあったのは、メッタ刺しにされた聖騎士長の姿でした。そして、驚くメリオダス達に攻撃をしかけてくる、城をグルリと取り囲んだ王国の全騎士。
その時、
『団長……… すまない…』という声と共に、頭を殴られて気を失ったメリオダス。
七つの大罪は、聖騎士達の陰謀&七人の誰かの裏切りによって、王国転覆を謀った濡れ衣を着せられているんですね。あの日起きた事を知りたいと言うメリオダスに、ディアンヌは。
『嫉妬の罪のディアンヌ 力を貸すよ!』惚れた男・メリオダスのために力を貸してくれることに。と、そこにイケメン聖騎士・ギルサンダーが現れて…というところで1巻終了。
面白かったー。予想通りの展開が逆に心地良い。痛快!気持ちが晴れ晴れします。他五人のキャラも気になるし、聖騎士達の目論見が明かされるのも楽しみです。次巻も少年漫画らしい冒険ファンタジーが繰り広げられる事を期待☆
↓いつもクリックありがとうございます!