設定がダークファンタジーっぽいですが、ダークな要素はほとんどなく、ファンタジーなのは超生物の存在くらい。目標達成のために努力を重ね、友情を育み、勝利を掴み取る、ジャンプらしい大変爽やかな学園物語です。そして、色々とツッコミどころ満載なのですが、そんな戸惑いは無視して物語がガンガン進むので読み流すのが良さそうです。
タコ。でもって指先だけET風。タコ(生徒に殺せんせーと名付けられる)は来年3月に地球を破壊するといいます。この秘密を知るのは各国首脳のみ。破壊されては困るので各国は暗殺を試みるのですが、ことごとく失敗。
暗殺を余裕でかわす殺せんせーはそれでは面白くないと、来年の3月までの間、椚ヶ丘中学3年E組の担任にして欲しいと言い出します。そして、生徒には絶対に危害を加えない条件付きで、めでたく就任。
なぜ先生なのか。なぜ椚ヶ丘中学3年E組なのか。椚ヶ丘中学は超進学校で、E組はその中の落ちこぼれクラスです。そんな訳ありクラスの担任になりたかった理由には、ある女性との約束(?)が関係していそうなのですが、詳細はまだ明かされません。
そして生徒達は、政府からせんせーにだけ効果がある対せんせー武器・ナイフと銃を渡され、その日から先生を狙う暗殺者(アサシン)になります。殺ったら賞金は100億円☆☆☆
話が早くて素敵です。ていうか、専用武器があるんですね。先生の構成成分とか既に解明済みなんですかね。しかも人体に無害って……とか細かい事考えちゃいけないんだ。だめだ。考えるなっ!
さて、先生の能力は「マッハ20の高速移動」、そして「体の一部が損傷しても再生可能」で「全身ヌルヌル」という事。

それだけ?と思うシンプル設定ですが、これがなかなか殺れないんですよね~。早いから銃弾に当たらないし。ちょっとくらい当たっても、再生しちゃうし。ちなみに、“マッハ20” はウルトラマンタロウの飛行速度と同じです。拳銃弾の初速は200~400 m/sらしく、400m/sをマッハに換算すると約1.2。せんせーの約1/17。いかにせんせーが早いかっちゅーことです。
でも、この画は不思議ですよね。その場から別の場所へ逃げる事は余裕でも、これだけ大量の弾が広域に同時に撃たれたら、左右にチョロチョロ逃げてもそもそも体の面積的にアウトじゃないの?とかどーでもいいことに無駄に頭が混乱してしまう。だめだ。何も考えるなわたし。
そして月を吹っ飛ばすなんて、どんなわびさびの分からない鬼畜野郎かと思いきや、大変まっとうな教育者なんですよ。自分を暗殺する事を通して、生徒の能力や精神を育んでいく。
そして、生徒達の心に不思議な信頼が生まれていくんです。
この異常な先生は… 僕等の事を正面から見てくれたからそして、
暗殺なんてした事無いし 僕等には他にすべき事が沢山ある …けど思った
この先生なら… 殺意さえも受け止めてくれるって
ポジティブw 中学生適応力ありすぎww おかしいだろww でもちょっといいシーンに見えはじめた事に戸惑っています。
主人公・潮田渚に加えて、役者も揃いはじめます。防衛省の烏間さんは、暗殺のため体育教師として赴任。

座右の銘は「可能なら実行し、不可能でも断行する。」。ワ イ ル ド!!!硬派です!骨太です!近くにいたら巻き添えになりそうだから絶対関わりたくないタイプw 軍隊出身・ガチ体育会なのに、生徒を「◯◯君」と呼ぶところにさっそくのギャップ萌えです。
停学があけたクラスメイト・赤羽業(カルマ)。

正義感が強くケンカっ早く頭が良い。カルマの歪みっぷりは好物です。知性の高さが感じられる陰湿な攻撃にときめくw 実は誰より繊細で、それゆえに社会や大人の薄汚さに傷つき憎む…というお決まりの尾崎豊系男子。うまうま。
プロの殺し屋、イリーナ・イェラビッチ。

愛称はビッチ先生。 こちらはもちろん、お色気ポジション♡ 世界中のターゲット・主に金と権力を持つおじさまを魅了して、至近距離からたやすく殺る凄腕!!いい!!
松井先生!タコがグネグネデレデレする姿じゃなくて、硬派な烏間さんがデレるところが見たいですっ!!烏間さんとビッチ先生の相性は今のところ悪いのですが、そこがまた良い。相性悪いところからの…!っていうね、全然好きじゃなかったのに何時の間にか気になっちゃってふとした瞬間にドキ☆な展開を期待したい。ベタ好きの私で大変すまない。
椚ヶ丘学園理事長・浅野學峯。

絵に描いたような冷徹な合理主義者。清々しいほど悪役。別に悪っていうわけじゃないのですが、冷血過ぎて悪役になっていますね。嫌いじゃないです。
殺せんせーに
『なんとも悲しい生物ですね 世界を救う救世主となるつもりが 世界を滅ぼす巨悪と成り果ててしまうとは』と言った彼は、殺せんせーの過去を何か知っているようです。殺せんせーが約束を交わした女性は多分この学校の先生。その辺の事も併せて、浅野理事長は何か知っていそう。
さて、話が進展する中で、生徒を取り巻く環境が明らかになっていきます。
理事長の学園構想では、5%の怠け者を吊るし上げ虐げる事で、残り95%が「あんな風になりたくない」と強く思い働き者になる、通常の2:6:2の法則を大きく上回る生産性の高い集団を実現しようとしています。そのために、5%の虐げられ役E組は、とことん弱く惨めでなければならないんです。
この方針が殺せんせーの教育者魂に火をつけて、E組を育て上げてその構想を壊してやろうと燃え上がります。ところが、まんまと罠に嵌められたり一筋縄では行かず…。現状打破が容易でない事を思い知っていくのですが、そんな殺せんせーの思いは生徒に伝わり、E組の生徒がどんどん活き活きしてくるという。
普通にいい話!でも、理事長より、殺せんせーの月爆破と地球爆破予告の方がケタ違いに悪どいんですけど……。そこはいーんですか。いーんですね。
こんな穏やかでないタイトル、一体何の漫画なんだろと思っていましたが、デキの悪い生徒 × ぶっ飛んだ先生の織りなす王道の学園ドラマ。殺せんせー率いる3年E組の、現体制へのアンチテーゼの痛快さを楽しむ作品。
気弱でいじめられキャラだけど、冷静で地頭の良い主人公。本当は優等生組の能力がありながら、踏み外してこっち側に来てしまったワケありの頭脳派。一芸には秀でているけれどコミュスキル低めのオタク系。はみ出した生徒達の今後の成長と戦いぶりが楽しみです!
マッハならハワイから会社に通える!と思った自分のサラリーマン的思考回路=社畜っぷりにがっかり。
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