月刊少年ガンガンで連載中のルネサンス・イヴ1巻です。単行本がものすごい厚さ!そして、まだ1巻なのに内容ぎっしり!このままエンディングになるんじゃないかと思うほど、話がどんどん進みます。
その特殊な血液型は、発揮する能力によって異なるアルファベットで表されます。例えば、滅ぼす力=DEATH=D型のように。そしてその「隠された血液型」の全ての型をMIXすると生まれるのが、あらゆる奇跡を可能にする、大いなる知恵と力を持った血液、
そんなわけで、その秘密を知る人々はもちろん、時には “ストレンジ・ブラッド” を持つ人自らが、Wの血液を創り出して奇跡を手に入れようと、異種のストレンジ・ブラッド達を狙っています。その血液型に生まれたら常に狙われ続けるなんて、生きていくのがつらすぎる。
主人公の大道寺輝矢と、その親友・神永千明はどちらもストレンジ・ブラッド。輝矢は能力に目覚めていて、血液型の秘密も知っているのですが、千明は自分の力には気がついているものの、秘密はまだ知らない。
そこに2人の血を狙う者が現れます。その人達もまたストレンジ・ブラッドなんですが、これがきっかけになり、千明の力が目覚めていく事になります。
敵の1人は、ブラッドタイプF=FLAME(燃やす力)を宿すフルヤ。

血液を激しい炎に変えられる彼の全身には包帯が巻かれています。力の制御がまだ出来なかった頃に、炎で自らを焼いてしまったからだとか。絶世の美少年と言われていたフルヤは、今の自分の姿が許せず、火傷を治すためにWの血を狙っています。
そしてもう1人は、ブラッドタイプS=SOLID(固める力)。名前はシズマ。

血液を固めて剣にしたり、体を血液で覆って鋼鉄の鎧のようにしたり。この能力は使い方次第。
彼は血液の力が暴走して、体の一部が硬化しているんです。そして、このままではいずれ全身が硬化してしまう。そして母親も妹も同じ血液型で、さらに症状が進行していて、それを治すためにWの血を求めています。
このバトルの中で、千明の力がよりハッキリと目覚めていきます。
『あなたの心の中… 丸見えだよ』
千明はブラッドタイプC=CLAIRVOYANCE(千里眼)。血が触れた者の考えている事が全て分かる力。
そして、肝心の主人公は。

ブラッドタイプD=DEATH(死に至らせる力)。さすが主人公。ネーミングだけだと最強っぽい。まるで死神。
反撃にあい、いったん引いたフルヤとシズマ。彼らがWの血を求める理由はわかりましたが、輝矢が求める理由はまだ明かされません。何も知らない千明はこのまま輝矢に引きずられ、他のブラッドタイプ探しに巻き込まれていく事に。
しかし、いちいち流血しないと使えない能力ってどうなのさ。自ずと能力の使用回数が決まってしまう。攻撃した分自分もダメージくらうなんて、HPとMPが同時に減るようなもの。でも、その制限があるからドキドキハラハラに拍車がかかって面白いのかな…?
さて、それらしき情報を足がかりに他のストレンジ・ブラッドを探し始めた輝矢と千明は、あるひとりの女の子に行き着きます。それが、塚本愛。

ヤンキー風味のこの彼女は、5年前に骨髄移植を受けてから特殊な力に目覚めました。
愛は姿をくらました当時の担当医「宗像先生」を探す事を条件に、輝矢と千明に協力する事になります。
そこにもう1人のストレンジ・ブラッドが現れます。ブラッドタイプR=ROT(腐敗させる力)。名前はレンジ。この力もシズマ同様使い方次第で、何を腐らせるかで様々に応用可能。そして大量のハエくん達を操ることもできる。
こいつが最高にイラっとするキャラなんですよ。

他人の顔を腐らせておいて、
『あはっ』ってすごい。性格と能力が完全一致している。こういう人、好きだw
ストレンジ・ブラッドを持つ者は、その容れ物である肉体に異常な生命力が与えられるそうですが、きっと性格もその血液型に適したようになっているんでしょう。力を最大限活用できるように。
そんなわけで、ヤンキー・愛の能力はT=TEAR(裂く)。岩も鉄もなんでもズバッと裂く。

かっこよさはフルヤの炎といい勝負!ガチンコな性格にもピッタリの単純明快な力w
3人の連携によって苦戦したレンジもまた、フルヤとシズマ同様にいったん引いていくのですが、一体誰がこの襲撃を指示しているのか気になるところです。
その黒幕が、コイツでした。

宗像先生の正体は医者ではなく、ストレンジ・ブラッドの力に目を付けた大企業・ヴィーノに所属する優秀な科学者。
宗像先生曰く、Wの血液は
『時空をねじ曲げるほどの奇跡を起こす』事ができるかもしれない。それを解き明かすための鍵が、千明の持つ力・C。
というわけで、センター試験の会場から、千明が連れ去られてしまうんです。そして、宗像先生の元へ運ばれモルモットに…。千明はブラッドタイプC=CLAIRVOYANCE(千里眼)のはずですが、実はもうひとつの力が眠っていて、それがCHRONICLE。

Cの血には、これまでのCが蓄えてきた情報が刻まれている。その中には英知の血の情報も存在しているため、それを千明から引き出す事が宗像先生の狙い。引き出すために、千明の力を全開にする薬を投与するという展開です。
その負荷に耐えられず精神が崩壊するだろう、と言われた千明は。
『…輝矢が言ってたんだ… 「どこの世界にもバカな奴は居るから その時は俺を呼べ」って… 「そしたらそいつを俺がぶっ飛ばしてやる」って…!』おお、乙女がいらっしゃる!千明、完全に姫ポジションですよね。かばわれて、連れ去られて、王子が取り戻しに来る。これが少女漫画なら、目にハートの輝きを宿してキュンとできるのかもしれません。ところがこれは、長身のメガネ男子のセリフだという違和感…。 どことなくやおいのかほりがするのは気のせいだろうか。
輝矢王子は愛を従えて千明の救出に向かうのですが、この3人が行方を阻むのです。

そして、ストレンジ・ブラッド同士潰し合いしているところを、なんとヴィーノが輝矢と愛と3人をまとめて捕獲するという展開。結局、この3人も利用されていたんです。
囚われた5人の前に現れた宗像先生は、輝矢、千明、愛、フルヤ、シズマ、レンジの血を混ぜ合わせた試験管を見せ、英知の血だとのたまいます。
えっ??!これで全種類??もうコンプリート!?AからVまで全てのアルファベットの能力があって、Wを創り出すとさらにその先に隠れブラッドX・Y・Zがあったりする設定と思っていた。勝手に。
1巻で神龍が呼び出されたようなビックリ展開ですが、集めただけでは意味がないんだそうな。Wの血といえど、それはただの血液。容れ物=人間が必要なんです。しかも、その血液の力に負けないだけの容れ物が。ということは、その容れ物=人を操れないとWの力の恩恵は受けられないんですね。
容れ物となれるかを実験するために、5人にWを注射しようとする宗像先生。利害の一致からひとまず手を組む事になった5人は、あと数回しかもたないお互いの能力を駆使してそこから脱出。
さらに輝矢と愛は千明の救出に向かうのですが、千明の元にたどり着いた輝矢はやはり王子でした。眠っている姫に、
『……何ぐーぐー寝てんだよ せっかく迎えに来てやったのに …ばーか』と優しげな眼差し。なにこのツンデレ。もう、S王子認定。
連れ出そうとしたその時に、武装した大量のヴィーノの人間に囲まれた輝矢は。

Dの力がすごい威力を放ちます。この力は一体??
そして、助け出された千明にも予知夢のような力が目覚めていて…というところで1巻終了。
あー面白かった!!それにしてもまだ1巻なのに話の展開が早くて、役者は揃ったし、黒幕はわかったし、Wの血は創り出したし、このままでは、2巻で話が宇宙規模に広がるか、このままエンディングを迎えるかになりそうなほどですが、大丈夫でしょうか!?
そして、あと一歩足りない感じが少し残念です。異なる能力同士のバトルシーンが魅せ場だと思うけれど、それにしては迫力が足りないような…。でも、それを補ってあまりあるほどの気になる伏線たちにワクワクします。
とりあえず、ヴィーノが超絶ブラック組織だとよい。闇は深い方が光とのコントラストが美しいので、宗像氏にはクソ悪党としての活躍を期待したい。輝矢の目的と実家の秘密も気になります。あの豪邸と国家クラスの情報インフラ。輝矢の父がヴィーノの社長、とかどうだろうか。
1巻の最終話はガンガンに先駆けて収録されていたので、2巻の発売はまだ少し先になりそう(?)です。早く読みたい。
輝矢は名前も性格もホスト向き
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