 | - 日向 武史
- 発売日 : 2012/10/17
- 出版社/メーカー : 講談社
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それは 信じるに値する出逢いだった分厚く手にずっしりと重い、あひるの空36巻。内容も重量感たっぷりで読み応えありまくり。感想もがっつり長めでいきたいと思います!
地区予選決勝、11点ビハインドで迎える丸高との後半戦。空と交代でオレ様1年生・行太がガードで出場します。
予想通り、コイツが勝手ばっかりするわけです。あ~もぉ頼むよ、この局面でやめてくれ!と想像ドンズバな暴走により、残念な展開に。トビの言葉を借りるなら、
手のかかるルーキー抱えると ・・ホンマ苦労するのという感じ。そんな手のかかるルーキーをフォローする、トビや千秋や空たち先輩の皆様のオトナな一面が素敵でしたが。
丸高の9番・信二も「見るからに持ってる奴」と言うように、行太にはセンスがある。そして、負けたくない!という強い気持ちからくるアグレッシブなプレーそのものは、悪くない。でも、それはチームのためのものではなく、彼の個人的な戦いのため。
まだ経験の浅い行太の独りよがりなプレーが通用するほど丸高は甘くなく… 38ー44、6点差まで追い詰めるも、その後は丸高の怒濤の攻撃が。
気がつけば、4分で40ー56、16点差まで開き、交代。
『よくやった、空坊と交代だ』千秋に声をかけられ、何がよくやっただ、バカにしやがって!と悔しがる行太に空は
『多分 それ本音だよ』と肩をたたき、
『あとは任して』
空センパイッッ!!わっしょい!!
ベンチに戻った行太に投げられたヨーコ先輩からの手紙には、
この試合はクズ高と丸高の闘い キミと誰かさんの闘いじゃない!!ヨーコさん、ナイスです。なんの異論もありません。これを機に、行太は精神的に一皮むけて欲しいものです。
さて、クズ高の得点源・トビと空。
トビの外したシュートをモキチが押し込んで2点。空のドライブからの得点はバスケットカウントのフリースローを決めて計3点。そして、千秋からのパスを受けたトビ。
『遅いワ』と放ったシュートはゴールに吸い込まれ、3点。ここで48ー56、8点差!!

ところが、トキワがあっという間に引き離します。絶対に追いつかせない!という気迫がビシビシ。
そんなトキワに、千秋は。
コイツをクリアしなければ 到底あそこまでは辿り着けん・・!!
千秋が目指すところは、トキワじゃないんだ… ということは横浜大栄のあいつか…?
さて、ここからはトキワ回想録です。あひるの醍醐味であるポエム多し!!w
ヤンキーかゴツいかかわいいか、のどれかに属するキャラが多いあひるにおいて、数少ない正統派イケメンキャラのトキワ。黄色い歓声があがりそうな、ジャニーズ風の中学時代。
『トキワってさ なんでそんな冷めてんの?』
冷ややかなわけではないけれど、何事にも、熱くならない。
昔からよく言われる
なんでも器用にこなしちゃうから
大事なトコでブーストがかからない
自分の沸点を知らずにきたんだ本人は器用貧乏と言っていますが、色んな能力のデフォルトが中の上で、ちょっとやったら上の下~中レベルまであっさり上がっちゃう人なんでしょう。本当に頭がいい人ってガリ勉じゃなかったりしますもんね。トキワも、うっかり人よりちょっと努力をしたら難関大にスポンと入りそうな匂いがします…。
県大会まで進んだ「湊中のトキワ」は、バスケ名門高校には進学せず、
『制服きなくてすみます』を理由に丸高に入学。
ところが、そこにはあの千葉さんが!!!バスケ部に入る気のないトキワに対して、連日しつこく勧誘。教室だけならいざ知らず、遂に自宅にまで現れる。さすがのドロ臭さですw
丸高がインターハイ出場を狙うには、最強のガードポジションが足りない。
『頼む オマエの力が必要なんだ』
ナゼ それが琴線に触れたのか 今でも分からない
でも 確かにあの瞬間 自分の中の “熱源” を感じたんだ熱源ですよ。熱の源です。千葉の言葉で、冷めていたトキワの中の何かが呼び覚まされました。そして、
それは 信じるに値する出逢いだった千葉の想いに動かされ、入部を決めます。しかしチームは思った以上にバラバラで、結局、2年は千葉ひとりになってしまう。ところが、
『これで 自由にやれる』というトキワの言葉とともに、安藤監督率いる丸高の快進撃が始まります。千葉・トキワコンビがチームの推進力となり連戦連勝を重ね、丸高の名が県内に轟き始める。
そんな絶好調の最中、快勝した試合後
あのメジャーリーガーは
チームが優勝した夜も自室でバットを振るんだという
こんなちっぽけな高校の無名のバスケ部で
そんな逸話を幾度となくこの目で直視してきたんだ体育館にはただひとり、練習に勤しむ千葉の姿が。
『ヘタクソが休んだらもっとヘタクソになっちまうだろ』、そんな千葉を見てきたトキワはもうひとつポエム。
気づいたら
思ったほど そこに自由なんてモノはなくて
練習はキツいし 監督は怖いし 男くさいし 汗くさいし
あぁ なんか 失敗しちゃったかなと思いつつも
ただ一つ
いや ただ “一人” フィラメントが赤く染まるおぉ~。こんな比喩に使ってもらえるなんてエジソンもさぞ本望でしょう。
大勝しても大敗しても、ジリジリと、ひとり、どんな時も熱を失わない姿。それでも、掴みきれなかった全国行き…。
千葉の引退後、次期キャプテン候補はもちろんトキワなんですが、でも、千葉の背負ってきた4番を引き継ぐ覚悟が決まらなかった。そんな時言われた監督からの言葉
『繋いでやれよオマエが』。

そして、当たり前のように言われた千葉からの言葉
『あとは頼んだぜ』に心動かされ、ついに、4番を継ぐ覚悟を決める。
だからこそ、絶対に負けられない。
必ず全国を摑む・・!!
シャツを摑む仕草には、千葉さんへの想いと強い決意が込められているんですね。
インターバル終了。ラスト10分
クズ高逆転へのシナリオの、キーマンのひとりは空。
抜きにくるのか、3Pか。相手に対して駆け引きの余地がある。

マドカさんに声をかけられ、リストバンドをはめた腕で応える、ここ!このシーン!心の鼻血ポイントでしたw
もうひとりは、モキチ。
フィジカルに恵まれた千葉Jでも、メンタルはまだまだ、年齢を超えられない。苛立ちや焦りで冷静さを欠いていくところにつけこもうという作戦。

空のパスからモキチがダンクを決める。
これが千葉Jの焦りを誘い、、、リバウンドで千葉Jとモキチが接触→モキチ流血!!!で36巻終了。
ゴール下のキーマンを失いそうなクズ高は、勝利からさらに遠のきそうな予感。そして、あひるの空といえば、敗北マンガの代名詞。この試合の行く末は気になるものの、結局負けちゃうんだろうなー。なんせ、あひるだからなー……と既に切ないです。良くても、ここで勝って次の試合ボロ負け…のスラムダンク的展開になるんでしょうか。
このペースだと、37巻は試合の結末が読めるのかな…。それが、無邪気に楽しみにできないほど、敗戦の匂いがしています。うぅ、もう負け試合ばっかりきつい。。
とりあえず勝ち負けは抜きにして、トビファンとしてはトビにもうちょっと魅せ場を願う!!
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