 | - 古舘 春一
- 発売日 : 2012/06/04
- 出版社/メーカー : 集英社
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"頂の景色"おれ独りでは決して見ることのできない景色ある日、通り過ぎようとした電器屋さんの前で聞いた「まさに"小さな巨人"!!」というアナウンサーの実況。不意に足を止めて見たテレビに映っていたのは、"春高バレー"で戦う隣町の烏野高校でした。少年は、長身の選手の中を飛び回り、次々得点を重ねる小柄な選手にくぎ付けになります。同じように小柄なその少年は、バレーのルールもよくわからないのに、その姿が目に焼きついて、こんな風になれたらカッコいいと憧れる…
そして、3年と3ヶ月後の市民体育館ーー

あの時の少年・日向翔陽が中学3年になり、初めての公式戦に挑む!
日向の入学した中学にはバレー部がなく、これが初めての試合。しかも、無理やり集めた弱小チーム(というよりそもそも部員がいない)なんですが、初戦で強豪・北川第一と対戦することに。
日向のチームが強豪に勝てるはずもなく初戦敗退してしまうんですが、この中学時代の経験が"仲間が欲しい。ひとつでも多く勝って、少しでも長くコートに立っていたい"という仲間と勝利への強い執着になっていく。さらに、王様の異名をとる北川第一のセッター・影山とこの試合で出会ったことが、日向のバレーボール人生に大きな影響を与えていきます。
そして、ついに憧れの烏野高校に入学した日向を待っていたのは、、、
『なんでいる!!』
なんと影山。県内一の強豪に落ちて烏野に来たんだとか。
ある意味似たもの同士であるがゆえに犬猿の仲の二人は、早速ケンカを始めてしまいます。そんな二人にキレるキャプテンの大地さん。
『互いがチームメイトだって自覚するまで部活には一切参加させない』焦った二人は、チームを組んでちゃんと戦えることを証明するから試合をしてくれ!と頼みこみます。そして、日向、影山に2年生の田中を加えて、他の1年生と3対3の試合をすることに。
そして、二人がなんとか勝とうと躍起になる中で、影山の苦い過去が明かされることになります。
「コート上の王様」という異名は、実は彼の実力に対する評価だけでなく、自己チューの王様、の意味もあったんです。中学時代のあの大会の決勝戦、独りよがりなプレーに耐えかねたチームメイトが、影山を拒絶。トスを上げた先には誰もいなかった……。
クイックを仕掛けない影山に、対戦相手の1年・月島が言います。
『あの決勝のせいでビビってるとか?』思い出したくない過去をほじくり返す発言に、影山はキレるでもなく、
『…ああ そうだ。トスを上げた先に誰も居ないっつうのは 心底怖えよ』と。
ところがここには、どんなトスでもありがたくって仕方ないスパイカーがいるんです。
『中学のことなんか知らねえ!!おれにとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!』
『おれはどこにだってとぶ!!どんな球だって打つ!!だから おれにトス、持って来い!!!』
ここからが勝負!日向によって影山のトラウマ越えが果たされ、影山の真の実力が発揮される!?ところで1巻終了。
すごくジャンプらしい作品!ジャンプの三原則、友情・努力・勝利がふんだんに盛り込まれていて王道感たっぷり。才能と勢いはあるけど経験がない主人公と、既にスーパールーキーとして名高いチームメイトのライバル関係は、スラムダンクを彷彿とさせます。
ただ、友情はともかく、努力して勝利するには才能やセンスがあることが前提なのだわ。と大人になってしまった自分はギクリとさせられちゃいました。影山なんてセンスの塊ですし、日向の跳躍力も、月島の身長も、です。
平凡ないち市民への賛歌である"もともと特別なオンリーワン☆"に惑わされずに、やっぱ、結局、ナンバーワン目指さないとダメっしょ。と世間が気づいて久しいですが、オンリーワン(=他者が認めるレベルの特別な何か)がなければ、どうせナンバーワンにもなれないよと言われているようで、世知辛いっス。
少年少女達よ、早く自分の才能に出会うべく、いろんな事に首を突っ込むべし。見つからなかったら、とりあえずEC◯ジュニアにでも入れてもらって英語の勉強だけはしておこう。中国語でもいい。君達が社会人になる頃、社内共通語は間違いなく英語で、上司は中国人かもしれない。その時、上司や一回り以上離れた先輩たち(つまり私です)を尻目に活躍できちゃうかも!?
いや、でも……。木暮くんスラムダンクのような100%努力な人の登場求ム!
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高速回転スパイクが床にめり込んでボールが焦げて煙を上げる…ような超人技はいらないです。