 | - 諫山 創
- 発売日 : 2012/12/07
- 出版社/メーカー : 講談社
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戦い続ける限りは まだ 負けてない帯の画が恐ろしすぎる進撃の巨人9巻です。2013年春からアニメになるんですね。帯のアニメ画は50m級巨人が壁の上から顔を出しているだけなんですが、マジ恐い。。。近頃は巨人の謎に重きが置かれて、巨人がわらわら出てくる光景も見慣れた日常になりつつありますが、初めて50m見た時の衝撃はすごかった。その震撼を呼び起こしてくれたよ、この画は。
9巻も巨人大量発生です。そして、あれ?猿の惑星??と思うシーンもあります。
アニとの共謀の疑いをかけられ、ウォール・ローゼの南区に隔離されている104期の面々。そこに多数の巨人が現れたところから今巻はスタート。
ざっと見、巨人は9体。巨人襲来を村々に知らせるため4つの班に分かれて東西南北に散らばる兵士たち。
それを見た巨人が急に、オリンピック級の本気ダッシュで追って来るんですよ……。恐いんですけど、本気すぎてちょっと笑えますw

班を逃がすため、おとりになるミケ。リヴァイ兵長に次ぐ実力者である彼は時間稼ぎをしながら4体の巨人をしとめます。そろそろ戻ろうかと馬を呼んだその時、とんでもないモノに遭遇。。。

え、猿………??しかもかなり大きい、猿。
巨猿はミケの呼んだ馬をつかんでミケに向かって投げつけてきます。その衝撃で屋根から転落したミケが巨人に捕獲され、喰われかけたその時、巨猿がしゃべった…!
『待った』ピタリと動きを止める巨人。命令を聞いたということは、言葉が分かる&上下関係があるんでしょうか。そして巨猿はミケに話しかけてきます。
『その武器はなんて言うんですか?その腰に付けた飛び回るやつ』
思いの外、礼儀正しく物腰の柔らかい巨猿w あまりの事に言葉が出ないミケ。
『う~~ん… 同じ言語のはずなんだが…』巨猿はミケの腰から立体機動装置をもぎとると去っていきます。この後、奮闘虚しく巨人の餌食になったミケ。そこそこの存在感はあったのに。。。この、気迫だけではどうにもならない力の差を敗北という形で何度も突き付けてくるのが、このマンガの厳しいところですね。
さて、村を廻る他の兵士たちはというと。
サシャはある村で、巨人に喰われている母親とその娘を発見。無事だった娘を連れて逃げるんですが、、丸腰なんですよね。104期全員…。でも、サシャはその子を逃がして、たまたま見つけた弓を手に戦うんです。時間稼ぎのために、狙うのは巨人の目。

画が
ヘタで躍動感ありすぎでw、よく分からないかもしれないんですが、最後の1本を絶対に外さないために、弓を使わずに巨人の懐に飛び込んだサシャ、です。やっぱり調査兵団はいざって時の覚悟が違うよなーと、へなちょこな我が身を振り返った良シーンです。
さて、コニーの班は巨人が侵入したと思われる南側に向かいました。そこにはコニーの故郷もあるのですが
建物が破壊され、人影がなくなった姿を見て衝撃を受けます。
ただ、巨人に滅ぼされたにしては死体が1体もないんです。全員無事に逃げたんじゃないか?と仲間に励まされるコニー。
ところが、逃げたにしてもおかしい。逃げるために必要な馬は全てつながれたまま。人=エサがいないのに大破された家々。さらに、コニーの家にいた、自立歩行出来ないほど手足の細い巨人は一体どこから来たのか…。
気持ち悪さを残したまま、一刻を争う状況に村を去ろうとするコニーの班。その時、コニーの家に横たわる手足の細い巨人が声を発します。
『オ…アエリ…』
コニーは、まさか………母親?と思うんですが、緊急事態の最中そんな事を考える暇も許されずその場を離れます。これ、絶対コニー母ですよね。巨人化の鍵を握るのは、あの巨猿なんでしょうか。
一方、馬車でウォールシーナに向かうエレン、ミカサ、アルミンにリヴァイ、ハンジ。そして、ニック司祭。
車中で、ハンジから「教団は何かしら壁の秘密を知っている」と聞かされる3人。それを聞いたエレンは。

反応が超普通でウケるw

この反応も、わかるw ニック司祭が話さないのは、
『人類滅亡より重要な理由があるのかもしれない』というハンジさん。
人類が滅びる以上に大変な事ってなんでしょうね。地球爆発とか銀河系が消滅するとか?でも、人類が滅びる以上に大変な事を、人類が心配するとは思えません。それ意味ないですもんね。結局、何が明らかになったところで、人類にとって人類滅亡以上に最悪なシナリオはないわけです。
命よりも人間のプライドを重視するなら、実は人類はもともと巨人の家畜だという、ヒエラルキーの認識違いとかもありそうですけど。。。もしくは、人類は壁の外にも沢山いて、壁の中の人々が全滅したところで痛くも痒くもないんだが、知らずに戦って無駄死にしているという皮肉な結末でしょうか。考えれば考えるほど分からないです…。
話は変わり、ハンジは新たな発見と共に壁を塞ぐ方法を話し始めます。女型の巨人の硬い皮膚の破片と壁の組織構造が一緒だった!という研究者らしい発見から、
『もし… 巨人化したエレンが硬化する巨人の能力で壁の穴を塞げるのだとしたら』エレンが硬化して壁の穴を塞ぐ作戦を立案。巨人化さえモタつくエレンが、そんな器用な事できるとは誰も思っていないと思いますが、そんなエレンにすがるしかない状況が続きます。
その後、ニック司祭が微妙な告白を。
『我々は話せない だが… 壁の秘密を話せる人物の名を教えることならできる…』それはユミルといつも一緒にいるクリスタ(かわいいbyアルミン)らしいのですが… 誰??どっちも分からない…。
その噂のクリスタとユミル。
調査兵団を志願したクリスタと、彼女の家に関係する理由でクリスタと行動を共にするユミル。このユミルが怪しすぎる!巨人が空けたウォール・ローゼの穴が見つからないまま夜になり、ユミルの班とコニーの班はウトガルト城で休憩を取るんですが。
『お前…… よく… この文字が読めたな… ユミル』
ライナーが読めない文字を読んだユミル。巨猿の「あれ?同じ言葉のはずなんだけど」と合わせて、他の言語の存在が示唆されています。
そんな中、夜間にも関わらず巨人襲来!そこにはまた、あの巨猿の姿が。。。巨猿は、ウトガルト城の横を抜け、壁に近づくと、ガシガシとよじ登りはじめます。

あっという間に登頂。こうなると、壁なんてなんの意味もなくて本当に虚しいですね。
結局、壁の穴は見つからず終い。穴が無いということは、巨人が壁の中に元々居たか、壁の中の別の何かが巨人になったかしかないわけで、コニーの母親の件から推察すると、後者が有力な気がします。ここまできたら、ワープとかチートな力が出てきそうですがw
もしそうなら、はじめは超特殊能力だったはずのエレンの巨人化は、珍しくもなんともないですね。何かがあれば誰でも巨人になれてしまう。その鍵を握るのはあの猿なのか、ユミルなのか…。エレンの父親はどうからむのでしょうか。
知性溢れる猿の正体は?
ニック司祭の守る組織の秘密とは?
クリスタの家の秘密とは?
そこにリンクしているだろうユミルの隠し事とは?
巨人の皮膚硬化=壁説の正否は?
コニーの母とおぼしき歩けない巨人の正体は?
夜に動く巨人の謎は?
謎が多すぎる!8巻は謎が謎のまま終わり、今巻もむしろ謎が膨らんだような…。伏線の回収が始まるのが楽しみでしょうがない。なんだかんだ言って、進撃の巨人の新刊発売日に意外な程ウキウキしている自分がいます!
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ユミルにゲイくささを指摘されるライナー
 | - 諫山 創
- 発売日 : 2012/08/09
- 出版社/メーカー : 講談社
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『もう一度ズタズタに削いでやる』ついに、ついに女型の巨人の正体が明らかになる、進撃の巨人8巻!!7巻で分かるかと思ったら、次巻に持ち越しになってしまい、この日が本当に待ち遠しかった!!さらに、人類と巨人の戦いの構図を根底から覆すような事実が明らかになります。(この先ネタバレです。まだコミック読んでいない方、お気をつけ下さい!)
仕掛けるのはこの人。アルミン。
『エレンを逃がすことに協力してくれないかな…』
調査兵団の壁外遠征の失敗のため、王都に召還されるエルヴィンら責任者とエレン。その道程にはウォール・シーナのストヘス区があり、ここは憲兵団が警護しています。アルミンはエレンを引き渡さないために、憲兵団の仲間に力を借りようとします。
その相手はアニ。
アルミンの説得をアニは断るんですが、必死の懇願に最後は協力してくれることに。
招集当日。替玉と入れ替わったエレンは、ミカサとアルミン、そして協力者のアニと脱走します。
地下道へ潜り、外扉へ向かおうとしたその時。
『そっちは怖い… 地上を行かないんなら協力しない』 アニは地下道に入ることを拒否します。絶対に地下に入ろうとしないアニと、その様子を冷静に見つめるアルミンの視線がぶつかり、ここからお互いの空気が一気に緊迫。
そして、アニとアルミンの核心に触れるやりとりが始まります。
『(取り調べのとき)何でマルコの立体機動装置を持ってたの?』
『生け捕りにした2体の巨人はアニが殺したの?』ここでのやりとりで、アニが女型の巨人であることが自明に。
三人とも既に予想していた結果で、それを本人が認めたにも関わらず、まだアニを信じたくて、そんなのウソだろ!ウソと言ってくれ!モードのエレン。ミカサはそんなエレンを制し、カタをつけようとばかりに剣を抜きます。そして、
『もう一度ズタズタに削いでやる 女型の巨人』
不敵に笑うアニ。
アルミンの狙いは、アニを地下道に誘い込み、巨人に変身させずに捕獲すること。アニは、脱走の手引きを頼まれた時から自分に疑いがかかっていることを察していて、アルミンとの会話は常に探り合い。そして当然、アニにも企みがある。この駆け引きは面白かった!
この後、アルミンの合図で仲間たちがアニを取り押さえるんですが、全てが一歩遅く、女型の巨人への変身を許してしまいます。周りにたかる人間を振り払ってエレンを捕らえにかかるアニ。逃げる三人を追い詰めます。
ここでエレンが変身しようとするんですが…… またできない。頭ではアニが巨人だと分かっているのに、エレンの中にアニと戦うことへの躊躇がある。それを見透かしたミカサとアルミンですが、それでももう、後戻りできない。二人は、自らを囮にしてエレンを生かす方法を取ります。
そもそもアニが犯人かもしれないことを進言したのはアルミンとミカサ。そして、作戦を立てたのはアルミンです。二人の覚悟が胸に迫る良シーン。
自分が犠牲になるかもしれない手段を、淡々と迷いなく実行しようとするアルミンとミカサを見て
『何でお前らは… 戦えるんだよ』と甘っちょろい問いかけをするエレン。(シンジかッッ!)
『仕方無いでしょ?世界は残酷なんだから』とミカサから(綾◯ばりの)冷静な返しをくらい、二人の覚悟に触発されたエレンは、、、

出ました。エレンゲリオン!!!
ここからは巨人×巨人のついていけない戦いが繰り広げられます。とりあえず、絵の迫力はすごいです!決して絵の上手いマンガじゃないんですが、巨人の戦いだけは勢いと衝撃がリアルに伝わる素晴らしいデキです。(エラソーにすみません)
戦いの末、巨人アニは壁を超えて逃げようとするんですが、寸前でミカサが追い付いて仕留めます。
やった!ついに仕留めた!前進だ!
と思い、意気揚々と巨人の中身のアニを取り出してみたら、アニは結晶化。クリスタルのような素材で自らを覆い閉じ込もります。こんなスリーピングビューティーな展開はありなの…?
さらにーー。立体機動装置で壁に張り付いていたミカサが見たのは………

アニの取り出し作業をしていたハンジさんも、エレンもアルミンもあまりのことに呆然。。。
これ、何?壁の外に巨人が来てるの?違う、壁の中にいるの??てゆーか何なの!!??
そこに現れたのはニック司祭。
『あの巨人に…日光を… 当てるな……』とハンジに指示をする司祭。
保守派の宗教家たち、一体どうからむのかと思っていたら、こんな形で出番が。
「神聖なる壁」にまさかこんなものが入っていたとは… なぜ壁内に巨人が存在するのか。この答えによっては、人間VS巨人の単純構図を覆しかねない大事件です。
壁の応急処置を済ませたハンジさんが、壁上でニック司祭に迫ります。
『この巨人は何ですか?なぜ壁の中に巨人がいるんですか?』『そしてなぜ あなた方は… 黙っていたんですか?』司祭が答えをはぐらかすと、
『ふざけるな』
ハンジさんの感情が噴き出します。
『我々調査兵団が何のために血を流しているか知ってたか?巨人に奪われた自由を取り戻すためだ… そのためなら命だって惜しくなかった』
『…いいか?お願いはしていない。命令した。話せと。そしてお前が無理なら次だ。次のヤツに自分の命とどっちが大事か聞いてみる』本当に、これじゃ調査兵団はピエロ状態です。教団や王政は一体何を知っていて、何を隠しているんでしょう。
壁から突き落とされそうなニック司祭はビビって吐くんじゃないかと思いきや。。。
『我々も悪意があって黙っていたわけではない!自分の命がかわいいわけでもない!それを証明してみせる!!』と殺したくば殺せ状態に。これは意外。
司祭から手を放し、壁の上で夕日を見ながらハンジさんがつぶやくシーンが、胸に刺さります。
他方、その日開かれた会議では、アニの事件が取り上げられ、エルヴィン団長が査問にかけられていました。そこに…飛び込んでくる調査兵団のトーマ。
『大変です!ウォール・ローゼが!』その日、アニの共謀者の容疑をかけられた面々がウォール・ローゼの南区に集められ、本人達には知らされないまま、共謀者を洗い出すためのテストをされていました。
そこに、多数の巨人が襲来!ウォール・ローゼが突破された!!というところで8巻終了。
もう、同時多発過ぎてなにがなんだか分からない。
とりあえずアニが女型の巨人だということは分かったものの、それ以上の何かは明らかにならず、色々な謎が何も解明されないまま、新たな謎が増えていく展開。風呂敷広げまくりで、面白い!んですが、そろそろ置いてきぼりをくらいそうです。
始めは、巨人に人間がバリバリ喰われる絶望的な世界を、気合いと覚悟で戦って乗り越えるだけの根性マンガっぽかったのに(それも好き)、実はきちんと伏線が張られていたことに感動。自分の読みの浅さを反省…
真相に近づいていくだろう今後の展開では
『巨人によって巨人から守られていた』というアルミンの言葉がキーになりそうです。
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巨人の顔がサシャより知的に見える…