 | - 加藤 和恵
- 発売日 : 2012/12/28
- 出版社/メーカー : 集英社
|
今 物質界に魔の手が忍び寄ろうとしているメフィストの正体、そして一連の事件の黒幕が明らかになる青の祓魔師10巻です。今巻では、今後起こるであろう新たな戦いの前段階として、物質界で起き始めた異変と原因、それに伴ういくつかの事柄が明かされます。
物質界で起き始めた異変のひとつは、再び腐属性の悪魔・不浄姫が復活した事。もうひとつは、一部の魔障を受けていない人達にも悪魔の姿が見えるようになった事です。
不浄姫の復活はイエメン。
不浄姫は心臓を二つに割られてイエメン支部に封印されていたのですが、その心臓が1人の女性襲撃者によって奪われた… という、日本の不浄王と似たパターンで復活。
不浄姫討伐に向かったのは、アーサー・オーギュスト・エンジェルとライトニングの新キャラ2人組。
聖騎士(パラディン)であるエンジェルは悪魔の血を憎んでいて、サタンの息子の燐が不浄王を倒した事が気に入らない。燐への対抗心から不浄姫を1人で倒すと宣言。
そして、エンジェルの
『エンジェルスラッシュ!!!!』の声と共に、魔剣・カリバーンから繰り出された技が炸裂。

一撃で消えた不浄姫。たった一振り。。エンジェル強すぎる。こんなにあっさり消されると、不浄王との死闘はなんだったのかと虚しい…。
姿を現した襲撃者は
『私は不浄姫と一体となった…』と言ったそばから急に苦しみはじめ、
『許容できなかった』という言葉を残して自爆してしまいます。
これは、かつてサタンに憑依された獅郎が容量超えで命を落としたように、不浄姫の受け皿としてこの襲撃者が耐えきれなかった、という事なんでしょう。
不浄姫の一件の報告を受けたヴァチカンは、不浄王や不浄姫のような腐属性の悪魔をマークしながら、藤堂を含めた悪魔喰い(デーモンイーター)を追い、その根城になりそうな怪しい組織の洗い直しに乗り出します。
そんな中で、緊急度の低い燐の処遇は「保留」に。
さて、もうひとつの異変は、魔障を受けていない人にも悪魔が見える事。
燐たちがそれを知ったのは、クラスメイトの醍醐院が魔障を受けていないのに悪魔を認識できるようになったためですが、同じ時期から、「学園の七不思議」が急に流行りはじめたり、正十字騎士團の悩み相談窓口に悪魔が原因の悩みが連日持ち込まれるようになったり…。知らない所で何かが起こっているようです。
燐は醍醐院のために、悪魔が見えなくなる方法を探すのですが、そんな中メフィストから食事に招待される事に。そこで燐はメフィストの正体を知る事になります。
10巻にしてようやく明かされた正体は、
『私は虚無界の第二権力者 時の王サマエル 悪魔の王族 八候王の一人です』
虚無界のナンバー2!!?めちゃくちゃ大物だった!ただの奇天烈野郎ではなかったんですね。でも、第二権力者以外の箇所はすごさがよく分からないw と思ったら、「時の王」とは「時間と空間を掌る」力を持つ存在なのだそうな。イコール四次元を何らかの形で掌握できるって事だと勝手に理解しましたが、それってとんでもなくすごい事ですね。
ちなみに彼が悪魔だという事は公然の秘密だそうで、知らぬは燐だけらしいです。そんな彼は人間の創り出すエンタメ、特に日本のオタク文化を愛していて、お陰で「(人間に)悪いようにはしない」と言っているので、悪魔を味方にするほどの人間のクリエイティビティもすごいですね。
メフィストは、悪魔の急所である尻尾と心臓(心臓を宿した降魔剣)を無防備に晒している燐に、それを隠す=弱点を克服するよう助言。さらに、燐が課題をクリアできたら、悪魔が見えなくなる目薬をくれると言います。
そして、
『これからは私も協力は惜しみません』と意味深に言い残すのですが、それは物質界に起きている異変と何か関係がありそうです。
その「課題」とは、悪魔が引き起こしている学園の七不思議を解決する事。
雪男の指導の下、燐たち候補生が悪魔退治に取り掛かります。燐、勝呂、志摩、子猫丸、宝の男子チームは「真夜中に学園を彷徨う白無垢」、しえみ、神木さんの女子チームは「女子寮のトイレの繭子さん」を担当。
不浄王に比べたら屁でもない悪魔に思えますが、それが一筋縄ではいかないんです。万能に思える燐の青い炎も、相手によっては相性が悪くて効果薄。悪魔によって異なる特徴・弱点にきちんとヒットする攻撃でないとダメなんですね。さらに、倒す過程でチームワークも必要になる。
苦戦しながらもなんとか退治を果たした2チーム。
白無垢の悪魔との戦いで、はじめて宝の能力が明らかになりました。

リカちゃんならぬミカちゃんのフレンドを召喚するとは!さすが大企業・宝ホビーの社長子息。人形の扱いは手慣れたもんです。
そして、神木さんのしえみに対する一方的なわだかまりも、これを機に解消。

あー勝呂の出番少ないな。勝呂、志摩、子猫丸のやりとりが好きです。ていうか勝呂がもっと見たい。でも、新キャラ登場で影が薄くなりそうな悲しい予感…。
その頃、ロシアでは。
聖天使團(エンジェリックレギオン)に合流したシュラが、エンジェルやライトニングと共に、加速器の実験施設内を調査していました。
悪魔が群れを成す実験施設の奥には、ヤバそーなものが…。それを見たライトニングは。
『これは多分… 虚無界の門だ』
虚無界と物質界を繋ぐ門は、サタンにしか作れないはず。しかし
『いや これは人工的なものだよ』。その上、どんどん拡大している。
聖天使團は一旦撤退し、専門家であるメフィストがゲートを確認しに現れます。
悪魔嫌いのエンジェルの不機嫌さに笑うw 正義感に燃える直情型+やや頭弱めのキャラクターって、ウザいと思いながらも何故こんなに憎めないのでしょう。エンジェルの出番が待ち遠しくて仕方ない。そして、その時には必ず隣にメフィストがいて欲しい。
門についてメフィストは。
『一度開いた門を閉じる事は 私にも不可能です』おい!ナンバー2のくせに!!
閉じられないまでも、結界を張り拡大を遅らせる事なら出来る、という事でひとまず更なる拡大までに4~5ヶ月の猶予を得ました。
時を掌るなら、結界内の時間を門が開く前まで戻すとか出来ないんですかね。案外役に立たないですね。やれるのにやらないのかは分かりませんが。。。
この門が開いた事で虚無界の影響が強まり、悪魔が増えたり暴れたりしている事が判明。醍醐院の件も、相談件数の増加も、これが原因でした。
次は、開門が誰によるものかを調べなくてはいけないわけですが、ライトニングには目星がついている。
『これだけの科学力と財力を兼ね備えた組織は一つしかない すでにお気づきでしょう?』
『啓明結社イルミナティ』場面変わり、最後の最後に黒幕登場。
虚無界門開通のお祝いを述べるために、伽樓羅を喰った藤堂が向かったある部屋。そこには、病に伏す1人の人が。その人こそイルミナティの総帥・一連の事件の黒幕です。
門を作ったのはイルミナティで藤堂はその結社の一員だったんですね。多分、不浄姫の復活も彼らの仕業でしょう。
今巻には、いくつか伏線が張られたと思われる場面がありました。
まず、醍醐院が燐の尻尾に気が付いた事。しかもその描写が度々ある事が気になります。さらに、都議の息子というのもひっかかる。尻尾から悪魔を連想して、安直に燐が悪魔という結論になりかねないですし(半分正しいけど…)、それを都議の父親が騒ぎ立てたら、それはもう大ニュースに発展してしまう。今後の醍醐院の動きが気になります。
それから、雪男と子猫丸としえみの様子がいつもと違った事。雪男は女装への覚悟だったともとれる流れですが、本当はどうだか不明。子猫丸としえみも理由不明。
そして、神木さんの「目的がある」という発言。朴さんは知っているようですが、目的とは一体なに???
さらに、雪男の定期検診について。検査をサボっていたのは、単に忙しかったからなのか、それとも、目が青くなった原因が発見されるのを避けるためだったのか…。検査を受ける意思はあるようなので、近々明らかになると思われます。
今後の展開が楽しみになるような事実や伏線が盛り沢山だった10巻☆11巻も楽しみです!!
↓いつもありがとうございます!

ライトニングが浦原喜助(©BLEACH)に見えて仕方ない
 | - 加藤 和恵
- 発売日 : 2012/09/04
- 出版社/メーカー : 集英社
|
俺 祓魔師になるよ
魔神の息子としてさ不浄王との死闘がついに決着する重要な巻にも関わらず、表紙に全てのインパクトを持っていかれそうな青の祓魔師9巻です!
前巻では、燐の降魔剣に烏枢沙摩(ウチシュマー)が憑依した所で終了していました。(8巻の感想は
こちら)
燐はウチシュマーによって、不浄王を山膚ごと焼き清める力を手に入れるのですが、それは、燐がコントロールできなければ人まで無差別に焼いてしまう力。
迷ってるヒマはない… 人だけ燃やさず不浄王だけ倒す できるか俺に…! と葛藤しつつも、状況は待ったなし。
そして、遂に燐がマントラで呼び出します。
『火 生 三 昧!!!!』
八百造さまが呼び出した時とは比較にならないほど凄まじい勢い!!
そして、召喚した炎の強大さによって燐は自らの悪魔の部分に飲み込まれそうになり、人も何もかもみな焼き払いたい衝動にかられます。
炎で “俺” が消し飛びそうだ…!!その時よぎったのは、しえみの言葉と、燐を信じた仲間の姿。みんなに応えたい!と思う気持ちが燐に心を取り戻させます。
不浄王の側で何が起きているか知らない面々は、急に青い炎が襲ってきて何コレ!?やべーぞ!!と逃げだそうとするんですが、そんな中、しえみだけはあの青い炎は燐のものだ、と気づきます。
あったかい…… やっぱり …燐!
あたたかい炎が送り火のように山膚に広がり、燐はついに不浄王討伐と一帯の浄化を果たします!!
この様子を上空で愉快そうに眺めるメフィストは。
『アッハッハッハッハッ!同族殺しを天命とする青き祓魔師の誕生だ』最後にウチシュマーが言い残した言葉は。
『貴様は一体… どちらなんぢゃよ。人か悪魔か いずれはっきりとさせねばならぬ時がくるぢゃろう』悪魔の力で悪魔と戦う…まるで不動明(デビルマン)のよう。。燐はこの戦いを通して、自分が魔神(サタン)の仔で、この青い炎の力から逃げられないことを悟ります。
それをようやく認めることができて、燐の中に迷いがなくなり、同時に周りもそれを受け入れてくれた。“サタンの息子” をネタに燐をいじる子猫丸達が微笑ましい♪
雪男だけは、まだ感情の落としどころを探している感じですが。。
それにしても、メフィストは一体何を企んでいるのか。まだよく見えてきませんが、彼が食わせ者であることは間違いなさそうです。ビジュアル的に(耳の形とか)、燐のようにサタンと血縁があるのか?と思えなくもないですが。あっと驚く何かがあるんでしょうか。
俺を怪しんでくれ!と言わんばかりのモードすぎる服装が嫌いではないけど、なんだかDグレに出てきそうな風体で、見る度に作品を間違えて出てきたんじゃないかと気になります…。
さて、戦いが終わり討伐隊は勝呂の実家である宿に戻ります。一晩明けたところで、急にロマンスが。
柔造兄さんッッ!!
『せやから俺 蝮もらいますわ!』
ってなんですか!!?
そういえば前日、確かに柔造は討伐から帰ってきたその足で蝮に報告に向かってた。その報告を聞いた蝮は安心して泣き崩れて、それを柔造が抱きとめていた。。
先の発言に「私は何も許可してへんえ!!」と怒る蝮。柔造は、「許可て…… 昨日自然な成り行きやったやんか?」って!!!それを聞いてる蝮は顔真っ赤だし!病人相手に一体何したんだッッ!??
柔造のエロそうなタレ目が好きだったのに… 人妻ならぬ人夫になってしまうなんて… 志摩家の面々は、八百造様を筆頭に、モロに私のタイプです。
勝呂家もしがらみから開放され、勝呂父は新たな生き方にシフトしていく様子。勝呂親子のやりとり、よかったわー。血気盛んで責任感が強くて真面目な息子を、懐の深い穏やかな父親が見守っているという。討伐の終止符を打ったのは燐ですが、勝呂父と勝呂の文字通り命がけの戦いっぷりには感動しました。うっかり、勝呂が二枚目に見えたもんな…
さて、不浄王との死闘を終えた燐達。
しばらくのんびりモードかと思いきや、帰りがけにミッション発生。
『今回の祓魔対象は大王烏賊(クラーケン)だ!!』
ということで、全員水着着用(雪男をのぞく)で熱海のビーチでクラーケン戦。
ここでも燐がシュラの指示を無視して行動し、しえみと雪男が巻き込まれ、三人が海の上の小島に流れ着く展開。
その小島に棲む海神と共に、クラーケン退治をすることになるのですが。
そこで燐と雪男が衝突。
雪男は、燐がどんどん覚醒していく姿に不安を感じたり、勝手な行動で自分や周りに迷惑をかけることに苛立っているんですが、さらに、藤堂との戦いの最中に自分の眼も青く覚醒したことが、彼の心をより不安定にしている。それらが自分には無いものを持つ兄へのコンプレックスと相まって「認めない」となっている。
優等生の雪男のメンタリティは複雑で私の感想もこんがらがるばかりですが、雪男なりに燐をめちゃくちゃ心配しているわけで、それを燐も分かっている。
そんな雪男に、燐は。
『雪男 お前も 俺のこの炎を認めてくれ!!』
降魔剣を抜き、炎を纏った姿で雪男の前に立ちます。
燐は良くも悪くも単純で素直なので、裏表なく全開状態で相手にぶつかっていきますが、これって気持ちが強くないと出来ないこと。そんな所も雪男の複雑な感情を刺激するんだろうなぁ。
そんな燐に雪男は。
『僕は… 兄さんの炎を認める事は出来ない…!』おいメガネ!!もうそろそろ認めようよ!!仕方ないじゃん!!
たいがいにしろ!な会話の背後では、海神VSクラーケンの戦いが。
鯨対イカの海獣大戦争。これがなかなかの迫力でした!

このあと、クラーケンがイタチの最後っ屁のような攻撃をしかけてきて、応戦する雪男を燐が助けようとするんですが、雪男は燐としえみに下がって隠れていろと言う。
『兄さんはどんどん魔神の仔として覚醒していっている…!それがどんな結果をもたらすか 必ず危険じゃないと確証が持てない限り 安心できない!認められない!!』 だから、力を使わせたくない。そして、
『僕は兄さんを守ると とうさんと約束したんだ!!!!』そんな雪男に燐は、「もう親父はいないんだ。助け合うんだ!お前は俺の弟だぞ!」と明快な返答。
雪男は迷いのない燐を見て、畜生!どうして迷わないんだ!勝てない…!と心底悔しく思うんですが、これで何かが吹っ切れたように燐の協力を承諾します。
二人+しえみのコンビネーションでクラーケン討伐完了。
『俺 祓魔師になるよ。魔神の息子としてさ』
初めて雪男が燐を認めた!小声だけどw
雪男自身も優等生の葛藤から半歩抜け出して、これが本当の自分だといい意味で開き直り、いつになく晴れ晴れとした表情で9巻終了。
雪男の、燐に勝ちたいというライバル心と、兄さんばっかり…という嫉妬心、そして絶対に守りたいと思う気持ちの混在具合が、クラーケン戦でよく分かった気がします。雪男にとって、燐に勝つ力というのはイコール燐を守れる力、ということだったのかな、とちょっと納得。
最後に雪男くんのひとコマを。
シュラの生乳に…

メガネって眼球で割れるんですねw
雪男に普通の高校生のような一面がのぞくと安心。どうしたって廉造や燐のようなオープンなエロには走れない雪ちゃんですが、頭脳派はむっつりと相場が決まっているので、それはそれでアリだと思います。夜にしえみの水着姿を思い出して悶々とする姿が目に浮かぶ…。そんな雪ちゃんに萌えます。
↓いつもクリックありがとうございます!

シリアスな場面でも、しえみの頭に常に乗ってる緑男。
青の祓魔師 8 加藤和恵 (ジャンプコミックス)不浄王との戦いが続く、青の祓魔師8巻です。不浄王を倒すため、引き金を引いた藤堂を倒すため、全員が力の限り戦うんですが、とにかくそれがかっこいい!!!
早速それぞれの戦いを見て行きましょう。
まずはこちら、神木さん。
神木さんとしえみは、重症の勝呂父を任されました。にーちゃんを呼べないことを悔やむしえみに、
『そんな事を言っててもしょうがない
山を降りて病院に連れてくわよ!
私達はこの人の事頼まれた責任があるんだから』
二人は、神木さんの出した白狐ウケとミケに勝呂父を運ばせて下山を試みます。
次は勝呂。
勝呂ファンのみなさん(私です)、お待たせしました。今巻、彼は男を上げまくります!
瘴気の流出を防ぐ結界を張るため、クロに乗って胞子嚢に近づく勝呂と燐。その間にも胞子はどんどん広がっていきます。
この状況で一度しか聞いたことのない結界呪を再現できるのか、不安になる勝呂。燐はその不安を見透かしたかのように、強気な言葉をかけて前に出ていきます。
その姿を見た勝呂は、いつも一人で戦おうとする燐と、これまで重要なことを隠して一人で背負ってきた父親に対して苛立ち、そして…
おとんもこいつも いつも一人でカッコつけおって…
俺はそれがどうしても 腹が立つんや!!!!
見事、伽樓羅(カルラ)を召喚し、結界を張ります。
(まだまだ活躍するよ!)
一方、藤堂と戦う雪男。
悪魔落ちした藤堂は、甘言で雪男の心に揺さぶりをかけます。
『君 本当はお兄さんが大嫌いだろ?』これまで、兄に複雑な感情を抱いてきた雪男は、この問いに惑わされそうになるのですが…
『僕が本当に大嫌いなのは 僕自身だ!』
わお!模範回答。
藤堂はさすがオッサン。長く生きてきただけあって、嫌なポイントついてきます。
何にも知らない呑気な燐を横目に、小さい頃から努力し続けてきたのは、普通に考えたら不公平。
こんなの不公平だ!やってらんない!と言っちゃえばいいのに、と思いますよね??
そこを、嫌いなのは自分。と言う雪男がなんだか切ない(涙)優等生のメンタリティは複雑だな…。凡人なもんで分かってあげられなくてごめんw
雪男はホント優秀なんですよ。戦いの流れを読んだり組み立てたり、彼のレベル以上の難しい技も使えますしね。左脳型の戦闘をさせたらピカ一です。
次は子猫丸。
子猫丸と志摩(廉造)は本山のみんなのもとへ向かうのですが、既に行く手を胞子が塞ごうとしていました。志摩は、命があってなんぼ逃げよう、と言うのですが…
『僕は逃げへん!!…ここで逃げたら僕は一生 明陀に顔向けできひん!』
子猫丸、根性見せます!彼にとって明陀は拠り所だからこそ、この発言。
そして、志摩くん(廉造)。
逃げようとしたものの、あまりにも頼りない、でも必死な子猫丸を見て戻ってきます。
割り切れたら ほんま楽なんになぁ…!!
志摩は志摩で色々な葛藤があって…。明陀と自分は関係ない、そんなもののために命を懸けられない、と思いつつも、簡単には割り切れず結局戻ってくるんですが。。
雪男も志摩くんも、生まれた時に背負ったものがあって、そこに彼らの葛藤があるけれど、逃れたい関係ない、と考える志摩くんの感覚は極めて普通。ストイックな雪男の方が危ない気がします。
…やっぱり雪男のダークサイド行きが見える!!(泣)
さて、神木さんと一緒だったしえみは。
神木さんが胞子に呑まれて絶対絶命だわ、当然狐は消えるわ、勝呂父は運べないわ、の危機に見舞われます。
グリーンマンを出せなくなって久しいしえみですが、みんなといるためには、ここで負けられない。
弱いままなんて駄目だ!
神木さんを助けられないなんて駄目だ!!
私 みんなと一緒にいたいんだよ…!!
『出ろっ!!!!』
出た!にーちゃん!
しえみはにーちゃんの力で神木さんを助けようとします。
その頃、燐と勝呂は…
ついに姿を現した不浄王の本体が(ちょっとミシュランのマスコットっぽい)結界を張る勝呂に襲いかかります。
勝呂は結界の一部を崩して自分を守るのですが、この「二重の構え」は激しく体力を消耗させます。

もってあと15分。燐の降魔剣はまだ抜けません。そんな燐を見て、勝呂は
『俺の結界が持っとるうち…… お前は逃げや!!』と。
追い詰められギリギリの中、それでも、燐は諦めない。
『勝って帰るんだ』カラ元気で言い切ります。
その言葉に勝呂は覚悟を決めて、二重の構えを解くんです。再び、自分はノーガードで結界を張る。
『おまえを信じる』
どんだけかっこいいんだ勝呂!!惚れちゃうよ!!
その髪型はないだろと思ってたけど、もはやそれすらもかっこよく見える不思議。勝呂様と呼びたい。
勝呂の想いに応えるように、ついに燐が…

降魔剣が抜けた!!
あんな化物倒すには燐に頼るしかない。んですが、燐も思うように不浄王を倒せない。。
そこに烏枢沙摩(ウチシュマー)が現れて、燐に力を貸す!?
というところで8巻終了。
不浄王と戦いがながらみんなが自分自身と戦っていて、ただのドンパチ合戦ではないところが、ホントに読みごたえがありました!雪男の今後は心配ですが。まさかの悪魔落ち……??
もう、巻を重ねるごとに面白くなって、益々目が話せません!!
押して頂けるととっても励みになります!

藤堂の髪はメッシュか白髪か…