BILLY BAT 9 (モーニング KC)"コウモリの巻物"とはーー
漫画家が消しゴムを使ってストーリーを描きかえるようにーー
歴史を自由に改ざんできるものだった。その在りかを知る雑風に、再び危機が迫る。そして、かつて人類史上最高の天才が見た恐ろしい地球の未来とは……!?(帯解説)復習しないとたちまち話を見失うマンガ、ビリーバットの9巻です。ここまで欠かさず読んできたのに、随分昔に話を見失い、結局よく分からないままもう9巻発売…感慨深いです。
ケヴィンの師匠であり、ビリーバットの生みの親である雑風は、巻物の秘密を握っているために暗殺されかけます。
1922年、来日していたアインシュタインと接触した雑風は、巻物で時間を超えられるのではないか?という疑問を確信に変えます。それは、アインシュタインのこんな一言から。
『時間旅行はやめたまえ』
アインシュタインは、過去に戻る(=歴史を変える)ことができる。そして、地球の未来を知っている。
どうやら、巻物は時間を超えて歴史を変える力があるようです。
さて、雑風はそのことを既に知っていたようですが、どのようにして知ったのか。そして、"コウモリ"と彼の出会いは?
1990年、アインシュタインと雑風が会った2年前ーー
雑風はコウモリの声のままに「こうもり三等兵」という、第二次世界大戦での日本の敗戦を予知したかのような漫画を書きます。そして、その罪で牢屋へ。そこである人殺しと出会うことになります。
彼は雑風を問いただします。
『おまえは何からあの絵をいただいた?』
『新吉原大門の近くの馬肉屋の前の電柱に 描いてあったのを真似たんじゃねえのか?』
そうなんです。雑風は知らぬ間に、彼が描いた電柱のコウモリにインスパイアされ、こうもり三等兵を書いていたんです。つまり、この殺人犯は師匠の師匠。
殺人犯は、雑風の未来を教えます。巻物の秘密と共に。
一方、ケヴィンは百地親子と光森村へ。
道中、ジャッキーがケヴィンに聞きます。
『巻物を探したらそのあとはどうなるの?』ケヴィンは月を見上げます。
『月へ……』『月世界探検……』
ジャッキーはいいこと聞きましたね。しかし、ぼんやりしたケヴィンの回答、というかつぶやきは彼女の頭の霧をより深めたことでしょう。
1964年・アリゾナ。砂漠に立つ巨大なスタジオ…
本当は月に行っていなかった!?アポロ月面着陸捏造説の裏側に、一人の日本人の姿が。
『ここに月世界を創っていただきたい』
依頼されたのは、大怪獣ガズラを撮影した特撮の鬼才、明智監督。
月面着陸の映像は、スタジオで撮影されたものなんじゃないか?という説は有名ですが、それはこの明智監督が作ったという話になるようです。
光森村に向かう途中でケヴィンたちは山下と会い、雑風の原稿の束を受け取ります。
急いで村に向かう一行。近づくにつれ、明らかに様子がおかしいことを感じます。村の中心部にある食堂に入ると、首を吊られたガイジンの姿が…それは、雑風を暗殺しようとしたあのガイジンでした。
ガイジンはケヴィンに言います。
『人類のため 子供のため 力を貸してほしい。
雑風はビリーバットを使って…… 歴史を変えようとしている』光森村は完全にホラーの世界でした…。村はボロボロだし、村民が怖すぎますし、いきなり外国人の首吊り発見しちゃいますし…。しかし、ケヴィンたちみんな結構冷静でウケます。心臓強すぎです。
場面は変わり、国鉄の下山が登場。彼の死に実はケヴィンが関係している……!?
散らばった伏線が少しずつ回収され始めた9巻。ここまでの出来事が全て繋がり、全体像が見えそうな、まだ見えなそうな……
浦沢作品を読んでいて切ないのは、みんなもよく分かっていないだろうと思ったら、自分だけだった時。。9巻でやっと、おぼろげながらストーリーが見えてきたような気がしますが、まだ分からない組を脱せません!
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光森村はバイオハザード的な恐怖